会場の盛り上がりが結果を左右 スポクラは“応援”が大事

スポーツクライミング 2019年8月19日
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若者に人気の都市型の新しい競技を指す「アーバンスポーツ」の一つ「スポーツクライミング」。その選手たちは「会場の盛り上がりが結果を左右する」と語ります。いったい、どういうことなのでしょうか。

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東京 八王子市で開かれたスポーツクライミングの世界選手権(2019年8月11日〜8月22日)。会場は、重低音のきいた音楽が鳴り響き、まるでミュージック・フェスティバルのような雰囲気の中で競技が行われました。

歓声がエネルギーに

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日本女子のトップクライマー、野口啓代選手は会場の盛り上がりを味方につけるのがうまい選手です。

オリンピックの代表権をかけて行われた複合予選。
野口選手はボルダリングで4つある壁のうちの最後の壁を登る前、観客に向けて手を振り「盛り上がれ!」とあおりました。

応じた観客がいっせいに大きな声援と拍手を送ると、野口選手はその直後、見事に登り切ってみせました。

野口選手は「疲労もあって登れるかどうか瀬戸際の状態だった。だから観客の皆さんをあおって声援をエネルギーに変えて登った」と話します。

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また、複合女子のリードで12メートル以上の壁を最後まで登り切って1位を獲得した15歳の森秋彩選手も「ふだんのワールドカップより大きい歓声が聞こえた。きつくなってきても歓声が背中を押してくれた」と会場の雰囲気の重要性を口にします。

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選手たちは観客の盛り上がりを力に変えて、みずからのパフォーマンスを上げているというのです。

日本の観客はおとなしい

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プロのフリークライマーで日本クライミング界の第一人者である平山ユージさんは、海外のスポーツクライミングの大会はそれこそパーティーのような盛り上がりを見せるといいます。

「海外では選手がいい登りをすれば、観客がみんな立ち上がるほど盛り上がります。その盛り上がりを受けた選手たちは、すばらしいパフォーマンスを見せることが多いです。海外に比べると日本の観客はまだまだおとなしいですね」と平山さん。

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日本の大会は国民性も影響してか静かにプレーを見守る人が多いですが、それでも、来年に東京オリンピックを控える中で少しずつですが変化が出てきているといいます。

平山さんは「今回の大会でも『ガンバ!』など選手のパフォーマンスを押し上げるような声援がよく聞こえました。去年の八王子市でのワールドカップのころから雰囲気が変わってきていて『日本の人たちも盛り上がり方が分かってきたね』と国際競技団体のメンバーとも話しています。来年のオリンピックに向けてお客さんがさらに盛り上がれるようになると大会もいいものになるはずです」と期待を込めます。

“応援”で会場の盛り上がりを作る

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超人的な登りを見せるスポーツクライミングの選手たちを後押しできるような会場の雰囲気を作れるかどうか。

「アーバンスポーツ」をオリンピックに取り入れた東京大会の成功の鍵の一つになりそうです。

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