新種目「3x3」と1964年大会結ぶバスケットボール 東京

こころのレガシー 1964→2020 vol.27
バスケットボール 3×3 2019年5月29日
レガシーvol.27:バスケットボール

2020東京大会で新種目として追加された3人制バスケットボール「3x3」。そのルーツは屋外の公園などに設置してあるバスケットコートで試合を行う「ストリートバスケ」にあります。

ルーツはストリートバスケ

バスケットボールのゴール

ストリートバスケでは日ごとに違う仲間とチームを組んで試合を行うため、チームワークより個人の力が試される環境。5人制バスケより1対1の場面が多く、体のぶつかり合いが多い迫力のある試合展開が魅力の種目です。そんな3x3のルーツであるストリートバスケでは、あるボールが人気を集めています。

実はそのボールの起源は、1964年東京大会で公式球として使われた歴史を持つ日本製のボールでした。1964から2020へ、形を変えながら選手を支えるボールのストーリーをひもときます。

バスケットボールをする人たち

1964年東京大会のバスケットボールは日本製

1964東京大会公式球
1964東京大会公式球

1964年の東京大会では、サッカーボールやバレーボールなど、多くの球技で日本製のボールが採用されました。バスケットボールもそのうちのひとつ。ボールには革新的な技術が使われていました。いままでのボールはいくつもの革を糸で縫い合わせていたため、どうしても縫い目部分が凸凹になり完全な球体になっていませんでした。

一方、東京大会の日本製のボールは、糸を使わずのりで貼り合わせる方式を採用。凸凹がなく、限りなく球体に近い形に仕上がりました。ドリブルをするバスケット選手たちにとって、凸凹が少ないとバウンドした先が予測しやすくなり、とても扱いやすいボールへと進化しました。

日本製のボールで試合をする様子
1964東京大会

日本製のボール いまはストリートを支える

白い日本製のボール

1964年大会を支えた日本製のボール。いまは白色のボールに姿を変えています。

バスケットボールをする人たち2

使われているのは屋外のストリートバスケコート。日本では電灯を設置した屋外コートが少なく、通常の茶色いボールでは闇夜に紛れて見えづらくなってしまいます。そこで色を白色に変えると、暗い中でも目立ちやすくシュートが打ちやすくなったと大好評。ストリートプレーヤーから大きな支持を得ています。

白い日本製のボール2

環境に応じてボールを改良し、選手への細やかな配慮を行うのは日本ならではの技術力。1964年のバスケを支えたボールは、2020年を控えるいま、ストリートバスケの選手たちになくてはならないものになっています。

ストリートから2020へ 選手の挑戦

落合知也選手
落合知也選手

2020年大会の日本代表候補に選出されている落合知也選手(31)は、ストリートで力を養ってきた選手。過去何度も3x3の日本代表としてワールドカップなど世界の舞台で主力として活躍してきました。落合選手が日本の3x3を代表する選手となった転機は、2014年に国内で行われたストリートバスケのとある大会。国内での1対1のチャンピオンを決める大会で見事優勝したことでした。その試合で使われていたのは、あの白いボール。

落合知也選手2

落合選手は「環境が整っていない中で、支えてくれたボール。あのときの経験があるからこそ今がある」と言います。
1964年に選手たちを支えた日本製のボール、いまでも姿を変え2020年を夢見るストリートバスケの選手たちを陰から支えています。

(撮影・文)報道局映像取材部 宮田峻伍

動画は、「サンデースポーツ2020」で放送されたVTRを再編集したものです。
[総合]日曜日午後9時50分~(放送時刻変更の場合があります)

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