コーチと私の“等身大” パラカヌー・瀬立モニカ

カヌー 2020年10月29日
写真:懸垂バーにぶら下がる瀬立モニカ選手(左)と西明美コーチ(右)

「越智さん、コーチと一緒に写真撮ってもらえないですか?」
石川県小松市にあるナショナルトレーニングセンターで行われていた、パラカヌーの練習。東京パラリンピック出場を決めている瀬立モニカ選手から練習後、唐突にお願いされました。

場所をどこにしようか、瞬間的に考えていたら、「あそこでお願いします」
指さされた先は、一見、鉄棒。でも鉄棒にしては、かわいくないというか、高い。

「あの鉄棒ですか?!」と伝えると、「いいえ、あれは私たちの中では、懸垂バーです!水上に出るアスリートたちにとってはごく身近なもので、鉄棒とは呼ばずに懸垂バーと呼んでいるんです」
なるほど、高さがある理由は懸垂のトレーニング用なのですね。

瀬立選手が、西明美コーチ(写真右)と一緒に写真を撮りたいと思った時、二人とも「ここしかない」と意見が一致したそう。
「二人で同じポーズをとれるとすると、ここしかないかなと思いました。車いすは私の代名詞じゃないけど、私といえば車いすと見られてしまいます。その私が、車いすを使っていないのは、斬新かなと。あと、コーチと一緒に撮影するのに、私が車いすだと、あまり対等感がなくて。
ほら、見てください。私の方が身長が高いことや、鍛えた三頭筋!」(瀬立選手)

コーチと一緒の“斬新な”記念写真。
東京パラに向けて、寝食を共にする瀬立選手と西コーチ。きれいごとだけではない、つらい時期も共に歩んできた二人だからこその一枚となりました。

写真家 越智貴雄

写真家 越智貴雄(おち・たかお)

2000年のシドニーパラリンピックから国内外のパラスポーツの撮影取材活動を続けている。2012年、陸上アスリートの競技資金集めの為、セミヌードカレンダーを1万部出版し国内外で話題となる。2013年9月のブエノスアイレスでの2020東京オリンピック・パラリンピック招致最終プレゼンテーションで映し出された「跳躍の写真」が話題になる。2014年、義足を美しくかっこよく履きこなす女性たちを撮影した写真集「切断ヴィーナス」を出版。2017年、寝たきりのお笑い芸人“あそどっぐ”さんの写真集「あそどっぐの寝た集」を出版。取材活動の他にも写真展開催や義足女性によるファッションショーなど、多数開催している。NHK-BS1「パラ×ドキ」に出演中。

おすすめの記事