東京パラへ続く「道」 前編 ~車いすレーサーが滑走路を疾走!

陸上 2021年3月18日
写真:自衛隊の立川駐屯地の滑走路を車いす(レーサー)で走るマラソン選手

2021年3月7日に自衛隊の立川駐屯地にて


世界中で開催されている車いすマラソン大会。撮影するにあたり、陸上専用に開発されたかっこいい“車いすレーサー”や、上腕部の発達した肉体から繰り出される“疾走感”など、欠かせない要素はいくつかあるのですが、走る選手をよりカッコよく美しく力強く見せるのに花を添える背景となる“場所”もとても重要です。

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こちらは過去のパラリンピックのマラソンでのシーンです。
リオデジャネイロ・コパカバーナ(2016年/左上)、北京・天安門広場(2008年/右上)、ロンドン・テムズ川沿いの巨大観覧車ロンドンアイ(2012年/左下)、紀元前329年に建設され近代五輪が初めて開かれた場所として有名なアテネ・パナシナイコ競技場(2004年/右下)。それぞれ素晴らしく風情のある場所で選手たちを引き立ててくれました。


そんな車いすマラソンの開催場所の歴史に、新たに加わったのが、2021年3月7日に自衛隊の立川駐屯地の滑走路で開かれた車いすマラソン大会。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大会出場の機会が失われた、東京パラリンピック内定を得ていない選手たちのために、今回のみ特別に創設された大会です。自衛隊駐屯地ならではの写真が撮影できたので、紹介していきます。

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こちらはスタート直後の様子。飛行機の着陸の際に、パイロットが着陸する滑走路がしっかり認識できるように、大きな横断歩道のように白く太くペイントされた「滑走路末端標識」という場所です。白く塗られた地面が光を反射して、選手たちの顔や表情がよく映えます。


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「滑走路」を進みゆく選手たちを背後から撮影していると、そのまま空へ飛んでいってしまいそうな不思議な錯覚を覚えました。


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滑走路脇にある、アップで見るとキノコのような可愛いらしいランプ(誘導路灯)は、車いすとなかなかマッチします。


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風速と風向きがわかる「ウィンドソックス(風向き指示器)」を背景に疾走する選手たち。この日は、風速2メートル前後。ウィンドソックスのおかげで、選手が風に立ち向かって走る様子がよくわかります。


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頑丈に作られた自衛隊の車両を背景にしたレーサーに乗った選手たち。力強さがより強調される感じがしませんか?!


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陽炎が立ち込める滑走路で、その中から重なるように飛び出てくる印象的なシーンでした。

東京オリンピックのマラソンは札幌で開催されますが、東京パラリンピックのマラソンは東京で開催されます。どんな背景が選手を引き立ててくれるのかとても楽しみです。
次回コラムでは、その東京パラリンピックマラソンコースの、仕掛けどころ見どころを紹介します。


【関連コラム】東京パラへ続く「道」 後編 ~車いすマラソンの見どころは、この「坂」だ!(2021/3/29)


写真家 越智貴雄

写真家 越智貴雄(おち・たかお)

2000年のシドニーパラリンピックから国内外のパラスポーツの撮影取材活動を続けている。2012年、陸上アスリートの競技資金集めの為、セミヌードカレンダーを1万部出版し国内外で話題となる。2013年9月のブエノスアイレスでの2020東京オリンピック・パラリンピック招致最終プレゼンテーションで映し出された「跳躍の写真」が話題になる。2014年、義足を美しくかっこよく履きこなす女性たちを撮影した写真集「切断ヴィーナス」を出版。2017年、寝たきりのお笑い芸人“あそどっぐ”さんの写真集「あそどっぐの寝た集」を出版。取材活動の他にも写真展開催や義足女性によるファッションショーなど、多数開催している。NHK-BS1「パラ×ドキ」に出演中。

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