ライバル対決が導く好記録 パラ競泳 鈴木孝幸 キャメロン・レスリー

競泳 2019年9月14日
写真:鈴木孝幸

東京パラリンピックの代表内定をかけたパラ競泳の世界選手権、男子50m自由形で金メダル獲得が期待されていた鈴木孝幸選手ですが、惜しくも2位となりました。鈴木選手を抑えて金メダルを獲得したのが車いすラグビーニュージーランド代表、「ウィールブラックス」の選手でもある"二刀流スイマー"、キャメロン・レスリー選手でした。ライバル同士の激突が驚異の記録を生み、東京パラリンピックへの期待を高めてくれています。

【"金狙える" 50m自由形】

写真:鈴木孝幸(2018 ジャパンパラ 水泳 男子 自由形 50m S4 決勝)

生まれた時から両足と右手がない日本の鈴木孝幸選手は、今大会ですでに銀と銅の2つのメダルを獲得。残されていたのが、金メダルを獲得して、東京パラリンピックの代表を内定させることでした。残り3種目で、「金メダルを狙える」と鈴木選手が考えていた種目の1つが、大会5日目に行われた男子50m自由形です。今大会を通してひとかきずつ、きちんと水をつかめているという鈴木選手は、予選で出場選手唯一の37秒台を記録してトップで通過し、「想定より速いタイムが出た」と手応えをつかんでいました。

【立ちはだかった"二刀流"】
その鈴木選手の前に立ちはだかったのが、両手と両足に障害があるニュージーランドの29歳、キャメロン・レスリー選手です。パラリンピックでは150m個人メドレーで北京大会からりオデジャネイロ大会まで3連覇を果たしている実力者です。レスリー選手のすごさは、水の中だけにはとどまりません。車いすラグビーのニュージーランド代表、「ウィールブラックス」にも所属する"二刀流スイマー"なのです。今大会の直前まで韓国で行われていた車いすラグビーのアジア・オセアニア選手権でもチームを銅メダルに導き、 3日前にロンドンに駆けつけたばかりでした。それでも前日に行われた男子50m背泳ぎでは、自己べストを更新するタイムで金メダルを獲得し、この勢いに乗って鈴木選手との対決に挑みました。

【ライバル対決で進化】

写真:レース中盤の鈴木(手前)とレスリー(奥)

決勝で隣あったレーンで泳いだ2人はスタートから横一線に並びますが、中盤から徐々にレスリー選手がリード。鈴木選手はわずかに届きませんでした。

写真:ゴール手前の様子。鈴木はわずかに届かない

結果はレスリー選手がこれまでの世界記録を0秒40更新する、37秒14という驚異的なタイムをマーク。敗れた鈴木選手も自己べストを更新する37秒56の好タイムを出して、銀メダルを獲得しました。


鈴木選手は「いやー(レスリー選手は)速いですね。でも自己べストを出せたので進化している気持ちはあってそんなに悪い気分でもない。お互い高め合いながらも、次は彼に勝ちたい」とライバルとの激突で導いたみずからの進化に充実感をにじませました。一方のレスリー選手も「鈴木選手とはいつも良い勝負が出来てとてもうれしい。最後まで彼がくらいついてきたから僕も頑張れた。東京パラリンピックでも負けないようにべストを尽くすよ」と述べ、ライバルとの対決を楽しんでいる様子でした。

レスリー選手との対決を通じて互いに高め合い、記録を伸ばしてきた鈴木選手。大会6日目の男子200m自由形でも再びレスリー選手と対決します。残された種目で金メダルをもぎとって東京パラリンピック出場内定をつかみとれるのか、2人の対決に注目です。

驚異の二刀流スイマー キャメロン・レスリー
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