世界トップを競う日本の2人 パラ競泳 木村敬一 富田宇宙

競泳 2019年9月15日
表彰台の富田宇宙と木村敬一

世界の舞台で日本選手同士が表彰台を争う、パラ競泳の世界選手権、男子100mバタフライの視覚障害が最も重いクラスで日本のエース、木村敬一選手が金メダルを獲得。遅咲きの新星、富田宇宙選手も2位に入り、日本人2人が表彰台に上がりました。ともに競い合い高みを目指す2人が見据える先は、東京パラリンピックでそろって登る表彰台です。

【エースと新星】
2歳の時の病気で全盲となり、目が見えた記憶のない木村敬一選手はパラリンピック3大会連続出場、 6つのメダルを獲得した日本のエースです。そして、 2年前に同じクラスに突如として現れたのが富田宇宙選手でした。高校生の時に病気と診断されて徐々に視力を失った富田選手。視力の低下によって木村選手と同じクラスになり、今回が初めての世界の舞台でした。

【高め合う2人】
この2人、プールサイドでもいつも楽しそうに談笑しています。世界選手権さなかの11日、 29歳の誕生日を迎えた木村選手に富田選手が「きょうはキムちゃんの誕生日です」と音頭をとって代表選手みんなでバースデーソングを贈りました。端から見れぱ仲の良い友人どうしですがそれぞれが互いにいい影響を与えています。木村選手は「宇宙さんのことはすごい好きで本当にいい人だけど、あっという間に追いついてきて基本的にはめちゃくちゃ腹立つ(笑)。でも宇宙さんが身近にいるからトレーニングの手を抜けない」と話します。富田選手も「木村くんの暗闇の中で泳ぐテクニックは世界で誰にも負けていない。途中で障害を負ったからこそ、見えない状態で泳ぐことに彼からたくさん教わった」と話していました。

【2人で驚きを与えたい】
互いに尊敬し合う2人が口をそろえるのが「世界のトップレベルで日本選手同士が競うまれな機会を見てもらいたい」。来年の東京パラリンピックで光がない状態でも日本選手同士が金メダルを争う姿を見せて、驚きを与え、大会の盛り上げにつなげたいというのです。

【世界で日本選手が競った】

写真:ゴール寸前の木村と富田

今回の世界選手権では男子100mバタフライの今シーズンの世界ランキングで木村選手が1位、富田選手が2位と期待が高まっていました。決勝で木村選手が世界記録ペースで折り返すと、冨田選手も必死で食らいつき、期待通りのワンツーフィニッシュ。

写真:ゴール直後に肩を組み喜び合う富田(左)と木村(右)

直後にお互い、抱き合い、ガッツポーズを見せました。プールの中では、富田選手から木村選手に「本当に良かったね」と声をかけたということです。

世界選手権という舞台で日本選手同士がそろって表彰台に登る快挙を見せてくれました。富田選手は、「世界の舞台で2人でワンツーフィニッシュは本当に夢が実現できてすごくうれしい。来年の東京パラリンピックでも実現できるように頑張りたい」と話しました。木村選手も、「僕自身も日本選手でワンツーフィニッシュは初めてで本当にうれしかった。日本の視覚障害のクラスのバタフライの強さを示せた。世界を引っ張るレースを国内でもやりたい」と話していました。

【2人で東京で表彰台に】
富田選手は大会最終日、メイン種目と位置づける400メートル自由形で代表内定を狙います。来年の東京パラリンピックで日本選手同士がメダルを争い、そろって表彰台にのぽる。2人が目標とするその光景が見られるのを期待したいと思います。

表彰台の富田宇宙と木村敬一、銅メダルのロシア選手
木村選手が金メダル、富田選手が銀メダルを獲得した決勝の動画は画像をクリック

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