パラリンピック各競技団体に聞く「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて」その2 (3/27)

2020年3月27日
写真:東京パラリンピック

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日々状況が刻々と変わる中、選手の体調管理や合宿などの運営を計画する競技団体のみなさんは、どのようなことに困っているのでしょうか。
また、選手の練習で配慮していることはどのようなことなのでしょうか?
パラリンピック競技団体のみなさんに、アンケートをお願いしました。

日本パラサイクリング連盟(回答:専務理事・監督)

1)競技団体の状況について
合宿を分けて実施予定です。

2)選手の状況について

所属先が出社禁止になり、トレーニングジムが使えなく、思うようなトレーニングができないと聞いています。



※3/24(火)夜、東京オリンピック・パラリンピックの開催を1年程度延期するということが決定しました。
以下からは、3/25(水)以降にいただいた回答になります。

日本知的障がい者卓球連盟 (回答:事務局・広報・マーケティング・国際・国内・事務全般担当)

1)競技団体の状況について
3月中旬以降の国際大会は、東京2020大会の代表選手選考基準となる大会でございましたが、コロナウイルスの影響により中止が発表されました。当連盟といたしましても実施予定でありました合宿等の中止や、事務職員の在宅ワークの推進といった措置を講じております。
昨今町中にも卓球場が増えており、休館していない場所も多くありますので、選手は現在もコロナウイルス等への感染防止を前提としながら各自練習を行っておりますが、公共施設等の休館の影響を受け、従来通りの活動とまではいかない選手もいるようです。

2)選手の状況について

24日(火)に東京2020大会の延期が発表されましたが、選手としましては4月初旬に発表予定であった代表選手の選考について非常に気をもんでいるようでございます。
練習に関しましても大人数でのクラブ的な練習を避け、極力パーソナルでの練習を行うなど、大人数との接触を避けるような取り組みや、練習会場へのアクセスに関しても公共の交通機関を極力避け、保護者の方の送迎をお願いするなどといった対策を行っているようです。

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

日々取り巻く状況が大きく変化していく中、まだまだ見通しも立てづらい中で人々の生命や健康を配慮し、今回のような判断に至った日本政府やIPCの判断を強く尊重いたします。

我々競技団体としては一刻も早くこのコロナウイルスの猛威が去ることを願いながら、できる範囲の中で競技活動を行っていくしかないと考えます。大会が延期となるということは、それまでにかかる費用等も当然出てくるわけでありまして、可能な限り助成金等を継続して利用できるような形にしていただきたいということと、少しでも障がいのあるアスリートたちの活動を支援したいと仰っていただける企業様、個人の方がいらっしゃるようでしたら、ご協力いただきたくお願い申し上げます。


日本車いすテニス協会 (回答:監督)

1)競技団体の状況について
新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、様々な機関から発表される対応や要請、また、国際テニス連盟(ITF)による2020年6月8日以前のすべての ITF 大会の開催延期の発表を受け、国内合宿や会議の開催など多岐に渡って大きな影響が出ています。
テニスは2名か4名でのプレーが基本になるので、NF(競技連盟)から選手へ注意喚起を促しながら、選手個人の持っている環境での練習維持に取り組んでいます。
NFの業務としても、できる限り複数名での団体行動を回避しつつ、電話会議などを重ね対応に追われている現状です。

2)選手の状況について

地域や個人の持っている環境によってテニスコートが休業になっている地域もあり、例えば、学校のコートを使用して練習している選手など、日常の定期練習の実施ができない可能性が高まっている選手も出てきています。
また、ナショナルトレーニングセンターでは選手に対し、熱を測ることや遠征3日後以降にならないと入室が許可されないなどの制限が課せられているほか、これまでの環境と異なり計画を立てる事に苦労が生じています。
ツアーがキャンセルになった為、今後、どういった形でツアーが再開されるのかの目途も立たず、心労が絶えない状況です。

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

世界的に大変な事態になっています。厳しい環境、心労も絶えない中での活動、先の見えない状況ですが、引き続き夢と目標に向かって、今は安静に、そして冷静に行動をして、再開に向けて穏やかな生活と引き続きの努力をしていきたいです。
皆でこの状況を乗り切りましょう。そして一日も早い終息を我々は願っています。


日本障害者カヌー協会 (回答:事務局)

※「事務局で考えられる意見として回答させていただきました」との補足をいただきました。

1)競技団体の状況について


〇第5回パラカヌーアジア選手権大会(タイ 3月末予定)が中止となり、新しい選手達には国際クラス分け評価を受けることが出来る機会が2020年世界選手権大会の1大会のみとなった為、パラリンピック大会出場のためのクラス分け評価につながるかが未だ不明となっています。オリとの違いである「クラス分け」ですが、パラスポーツの根底ともなり、公正なパラ競技を成立させるためには、とても重要です。競技大会を開催する前に競技の公平さを保つためのとても重要なクラス分けを受ける機会を得られないことは、パラリンピック大会に出場できるかできないかを左右するため選手たちにとっては非常に重要です。

〇2020年海外派遣大会のパラリンピック最終選考となっている世界選手権大会においても、実施が1か月延期となっており、その開催も中止が懸念されているためJPCへの選手推薦の提出期限に間に合わない可能性があります。また、そのための事務的な提出物などは、出場可能性がある選手やスタッフ全員に課せられており、時間が無い中なのでさらに負担が大きいと考えます。

上記の状況に関しては、最新情報を常に社員や各委員会に配信して共有することと、各委員会からの意見を尊重して計画を検討しています。国際大会は延期となりましたが、国内だけでなく国際大会の必要な手続きは全てパラリンピック大会に直接的につながることが多いため、1つとして欠けてはなりません。選手のモチベーションは計画的に目標に向けて作られてきました。設定した目標にずれが生じ、不安材料の方が多くなってきているため、精神的な負担がとても大きいように感じます。


2)選手の状況について 


〇地域により外出や施設利用の規制の格差があり、日常の個人練習場所の確保に苦慮している選手がいるため、選手にとって国内でも不公平な状況となっているのではないかと懸念しています。

〇企業のテレワーク等のルールや外出自粛ルールにより練習ができない選手や、国際大会参加を認めてもらえない選手やスタッフがいますので、海外の遠征や練習についても万全の体制が作れない状況となっております。
小さな競技団体ほど、専任のスタッフを雇用する経費もなく、皆さんお仕事と調整をしてもらいながら所属先の理解を得て派遣してもらっています。またトレーナー、ドクターなどは医療関係に所属しているため一般企業よりも今回のコロナウイルス感染には慎重な対応を示しており、許可が下りない場合が多いです。そのような関係性の中で、今回のような事業の急な変更や延期などは所属先にもご迷惑をおかけすることになるため、スタッフの派遣などの調整が難しく選手へのサポート体制の構築が不十分となってきております。

〇普段より個人練習のため一人で利用しているトレーニングジム(民間企業)の使用がコロナウイルス感染のため休館となったため、パラアリーナを利用したいと相談がありましたが、パラアリーナのトレーニング施設は、担当職員がいない日程や時間帯はパラアスリート一人での利用ができない為、サポートが常々確保できない状況が多くあるパラアスリートは個人で練習していたトレーニング環境の確保がとても難しくなっています。

〇海外でトレーニングしていた選手が、渡航先から日本への帰国便がなくなるとのことで急遽帰国しました。すでにその選手の強化プランは立て直しが必要となっていますので、なんらかの負担を感じていると思います。

〇すでに内定が決まっている選手は、4年間のトレーニングの最終調整に入っていく時期だと思いますが、先が不明確な状態では大切な時期に心身的につらい状況だと思います。また、延期となってもそこに改めて焦点を合わせて立て直すことは、容易ではないと思います。


3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

世界中が混乱している状況で、様々な課題や問題を鑑みて判断される方々の心労は大変だと思います。どのような状況となっても、変わらず色々な競技や他国の選手達にも興味を広げてもらい、さらに大きな声援を送って頂きたいと思います。
今まで様々なプレッシャーを乗り越えて、目標設定してトレーニングに努めてきた選手達、そのサポートをしているスタッフの方にとっては今回の状況はとてもつらい状況であると思います。
一人ひとり出来ることから協力して感染予防策を徹底するようにし、これ以上感染が世界各国でも広がらないことと、すこしでも早く消息することを祈ります。


日本パラ陸上競技連盟 (回答:広報)

1)競技団体の状況について
・国内及び海外の大会が中止となり、パラまでの実践(試合)が不足している。
・大学施設などを練習拠点としている場合,施設の使用自体が禁止されている場合がある.
・選手と職場(所属)がことなるため直接指導を控えている。(大学等への出入りができない)
・普段は個々で練習しているので、個々の自己管理に任せているが、手洗い、マスク着用などの徹底を図っている。
・練習については、NTC(ナショナルトレーニングセンター)陸上トレーニング場を利用するなど利用可能施設での実施に変更もある。

2)選手の状況について

・選手によっては例年競技会(健常の大会含む)に参加しながら調整していると思われ、中止による心身のコントロールが非常に大変。
日常の個人練習場所(室内トレーニングなど)の確保に苦慮している。
国内外大会が中止で実践不足。今後出場予定の大会もどうなるか不安。


3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

まずは、世界的に拡大をしているので早く終息をしてもらいたい。




こちらのアンケートは回答をいただき次第、随時公開していきます。
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※質問項目は以下です。
1)競技団体の状況について
競技団体として、合宿や練習、試合に参加する上の影響はどのようなことがありますか?また、感染防止や、練習を維持するために、どのような対策を講じていますか?

2)選手の状況について 
選手の皆さんから伝わってきている、練習や競技を続ける上での影響、苦労はどんなことがありますか?また、選手はどのような具体的な対策を講じていますか?
日常生活で、影響を受けていることはありますか?

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

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