パラリンピック各競技団体に聞く「新型コロナウイルスの感染拡大を受けて」その3 (4/7)

2020年4月7日
写真:東京駅前の東京オリンピック・パラリンピックの掲示板

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日々状況が刻々と変わる中、選手の体調管理や合宿などの運営を計画する競技団体のみなさんは、どのようなことに困っているのでしょうか。
また、選手の練習で配慮していることはどのようなことなのでしょうか?
パラリンピック競技団体のみなさんに、アンケートをお願いしました。
この記事が第3弾になります

日本視覚障害者柔道連盟(回答:総務部長)

1)競技団体の状況について
柔道は基本屋内スポーツなので、練習場が閉鎖され練習場所がなくなった。また相対のコンタクトスポーツなので、練習相手も見つけにくくなった。この2点から選手達は練習がほとんで出来ない状態が続いている。人脈(柔道部OB繋がり等)をつたって場所相手の確保に努めたが現状はほぼ不可能。選手達には基本的な感染防止策の励行を再確認しながら、筋トレ中心の自主トレを継続するよう指示している。

2)選手の状況について

上記の通り、柔道というスポーツの特性上、畳の上での練習が出来ないのがつらい。また視覚に障害があるため外出時に触ってはいけない感染源(マスクをしていない人や手すりなど)が見えないのでいつも以上に恐怖を感じる。

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

パラリンピック延期で焦る選手のコメントが多く見られますが、パラアスリートには感染症が決定的なダメージを与える可能性も高いです。感染症が根絶されない中で大会を開催することに、恐怖を感じているアスリートも少なくないです。感染が根絶するか、治療薬が開発されるかが確認してからの大会開催を希望します。

日本車椅子バスケットボール連盟(回答:事務局)

1)競技団体の状況について
■競技団体として影響があった事項
・女子リーグ第4節の中止(2/22~23)
・3月実施の国内強化合宿の中止(男子3/16~21、女子3/15~24、U25女子3/25~29)
・男子U23オーストラリア遠征の延期(3/22~3/30)
・第18回ジュニア選手発掘育成講習会の中止(3/26~29)
・全国から参加するJWBF会議の中止(3月)
・海外チームから日本への渡航キャンセルがあり、強化試合が実施できなくなった(4月予定)。代替として予定していた国内強化合宿の中止(男子、女子)

■感染防止や対策について
<合宿に関すること>
・手洗い、うがい、検温
・合宿に招へいする選手・スタッフ数の絞り込み(規模感の調整)
・合宿期間中の日々の検温、体調管理。日報を役員に報告する流れの確立。
・体調不良者・感染疑いがあった場合の対応のマニュアル作成。

<大会やイベントに関すること>
・大会・イベントの規模縮小(招待客なし、メディアなし、関係者のみでの実施)
・大会時、試合に出場するチーム、競技役員のみがコート上に滞在。その他のチームは、控室などで待機。
・1試合終了毎、間隔を取り、空気の入れ替えをする。
・観客席がない体育施設などは、観客を入れないでの大会実施。

しかし、4月実施の大会についても、軒並み延期としている状況です。


2)選手の状況について

■困っている内容
合宿が中止、クラブチームの練習施設の閉館・中止等により日々の練習環境確保に苦慮しています。
練習する場所の確保(日本財団パラアリーナなど)に努めているが、状況によって変動があり、計画的に練習ができない状況でもあります。

■対応策
スタッフより自宅で可能なトレーニング・練習方法は動画等を利用して指導している。


3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

状況が刻々と変化し、多くの方々が心労も生活への支障も本当に大変な状況かと思います。
今私たちに出来る事は、感染症予防対策や政府や自治体の方針を遵守し、一日も早く生活が正常化できるよう意識し行動する事だと思います。
この事態が終息し、選手やチームが来年の東京2020パラリンピック競技大会に向けて走り出せる事を心から期待します。


日本ボート協会(回答:パラローイング委員会 ヘッドコーチ)

1)競技団体の状況について
・パラリンピック延期が決まるまでは、参加人数制限やマスク着用等の対策をしながらで合宿や強化練習を実施していたが、パラリンピック延期が決まって以降は感染拡大防止のため、協会の強化活動(強化合宿や強化練習)を停止しています。現在は各個人にて自宅におけるトレーニング等で代替しています。

2)選手の状況について

・選手個人が通っていたジムが閉鎖になり、別の場所にてトレーニングをしなければならなくなった者がいます。
・選手の中には勤務先が一時、自宅待機期間となり外に出てトレーニングできなくなった者がいました。
・水上練習ができていないため、団体種目のPR3男女混合舵手付きフォアはコンビネーションの確認ができなくなりました。PR1男子/女子シングルスカルも水上練習ができないため技術確認ができていません。

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

まずは感染拡大を食い止めるべく我々にもできる事をきちんと行い、世界が通常に戻れるように努力しなければならないと感じています。世界中の方々がこの状況を乗り越えた先に東京パラリンピックが開催されることが本当に重要であると思います。

パラリンピック延期という事態は我々競技団体のみではなく大会運営の皆様、関係各所でも大変な調整が必要になっていると思いますが中止ではないことに安どしました。パラリンピックに関係する皆様の調整がスムースにできる事を切に願っています。
延期日程が決まった現在も不透明な部分が多く、選手たちには心理的負担が大きいですが、今できる事を一日一日大切に過ごしながら東京パラリンピックに向け努力していきます。


日本肢体不自由者卓球協会(回答:強化担当)

1)競技団体の状況について
6月末までの国際大会の延期が発表されている。NTC(ナショナルトレーニングセンター)における合宿では、健常者卓球が定めたルールに則り、検温や交通機関の制限を順守している。4月から5月上旬までの期間に予定していた合宿は延期とした。

2)選手の状況について 

普段練習しているところが使えないという悩みを聞いている。地方の民間卓球場は使用できるところもあるようだが、密室の狭い空間、近距離でプレーする卓球は感染の危険性も高いと言えるので、アルコール消毒やこまめな換気を徹底し取り組んでいる。

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

医療従事者、東京オリパラ関係者の皆さまにはご尽力いただき心から感謝申し上げます。今、感染拡大防止のために出来ること、東京パラリンピック本番に向けて出来ることに対し、前向きに取り組んで参ります。



こちらのアンケートは回答をいただき次第、随時公開していきます。
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※質問項目は以下です。
1)競技団体の状況について
競技団体として、合宿や練習、試合に参加する上の影響はどのようなことがありますか?また、感染防止や、練習を維持するために、どのような対策を講じていますか?

2)選手の状況について 
選手の皆さんから伝わってきている、練習や競技を続ける上での影響、苦労はどんなことがありますか?また、選手はどのような具体的な対策を講じていますか?
日常生活で、影響を受けていることはありますか?

3)新型コロナウイルスをめぐる状況について、「伝えたい」ことがありましたらお書きください

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