【11/15(金):最終日】「TOKYO」の主役は誰だ?-パラ陸上世界選手権2019

陸上 2019年11月15日
写真

大会8日目は、田中照代選手が銀メダル、唐澤剣也選手と木山由加選手が銅メダルを獲得しました!
リポーターの後藤佑季です。こちらの記事では、最終日の見どころの一部をお伝えします!


■ 車いすクラスといえば、この人! 佐藤友祈(さとう・ともき)T52

画像:佐藤金メダル!伊藤銀メダル!上与那原4位! 男子400mT52決勝 パラ陸上世界選手権第3日

リオデジャネイロパラリンピックで400m・1500m銀メダル。
前回の世界選手権(ロンドン)では、ライバルのレイモンド・マーティン選手に競り勝ち、400m・1500m金メダル。
400m・1500mの世界記録保持者で、今大会でも金メダル候補の筆頭にあげられてきました。

「東京大会に向けての弾みをつけられるように、金メダルを取りたいです。身体の調子もいいので、もしかしたら記録も狙えるかもしれません!」と大会前に話していた佐藤選手。
400mで、すでに強さを見せつけ金メダルを獲得しています

写真:表彰式での伊藤(左)、佐藤(中)、マーティン(右)

ライバルであるレイモンド・マーティン選手(アメリカ)にお話を聞きましたが、佐藤選手の強さをこう語っていました。
「彼はスピードが速いし、しかもそれを長い間維持することができる。彼は本当に速い、素晴らしい選手だよ。」

写真:佐藤友祈

障害の特性により、手の握力が弱いため、スタートがどうしても遅くなってしまいますが、得意の後半からの伸びを生かして、長い距離を得意としている佐藤選手。
この勢いに乗って、1500mでも金メダルなるか?!

今年ご結婚され、奥様の応援を背に臨む今大会。メダルだけでなく世界記録が出るかどうかも注目です。


さらにこの種目、佐藤選手の金だけではなく、もしかすると、日本人選手の1・2・3フィニッシュが見られるかもしれないのです!
現在、100mで銅、400mで銀メダルを獲得している伊藤智也選手に、大会前にお話を聞いたところ
「チームで作戦立てていこうと思ってるんです。佐藤君は速いから、上与那原くんと連携して、風よけも交代しつつ、位置取りも後ろが抜きにくいように工夫して2、3位を取りに行こうかなって。」
と話してくれました。

このレース、トラック種目としては最終日の最後、つまり“大トリ”。日本チームがどんな駆け引きをして“有終の美”を飾ることができるのでしょうか?期待が高まりますね!


▽試合予定

11/16(土)午前0:51 男子1500m T52決勝(金曜深夜)
※予定は変更になる場合があります。


【関連動画】

佐藤金メダル!伊藤銀メダル!上与那原4位! 男子400mT52決勝(2019/11/9)

「パラ陸上 世界選手権2019」日本代表、佐藤友祈(2019/11/2)

後半にスピードが上がる!陸上・佐藤友祈~ヤツら、ただものじゃない。




■ 出るか、笑顔?!期待の新星 知的障害・400m 外山愛美(とやま・あいみ)T20

外山愛美

これまでこのコラムやいくつかの番組でご紹介させていただいた外山愛美選手は、笑顔がとても素敵な21歳。大会会場や、現地スタジオなどで私を見つけると、素敵な笑顔で手を振ってくれます。

2017年世界ユースで金メダル、2018年アジアパラで銀メダルを獲得。
今シーズンは低調が続いていましたが、10月の国際大会で自己ベストを更新する59秒42を出しました。この大会の目標は、58秒台と語ります。

外山選手は宮崎県延岡市生まれ。軽度の知的障害があり、物事を記憶することや計算が得意ではありません。指導されたことが実際には分かっていなかったり、今日できていたことが次の日にはもう忘れてできなくなっていたりと、学習することに時間がかかります。

トラックを走る外山選手

身長1メートル59センチ、体重45キロと小柄な外山選手ですが、速さの秘密が、陸上の専門用語でいう「“蹴足(けあし)”の長さ」、つまりストライドが大きいことと、「天性の美しいフォーム」です。陸上を始めたときから、誰に教えられるでもなく身についていた、ストライドが大きく、きれいなフォームの走り。1歩で進む距離が長ければその分前に進むことができてスピードが出しやすい上に、きれいなフォームで無駄のない走りが可能になっています。

外山選手のコーチの、奥松美恵子さんは、知的障害の選手への指導について、「学習するのが難しいため、“トラック以外”での支援が重要。T20は車いすや義足のように道具もない。人がサポートする競技」だといいます。

「強くなれたのは、先生や周りのみんなが支えてくれたから」と話す外山選手。
ゆっくり、確実に一歩ずつ。奥松コーチとともに歩みを進め、来年の東京パラリンピックへ向けて進みます。

写真:佐藤友祈選手と笑顔で握手をする外山選手

実は、外山選手は佐藤友祈選手の大ファン。世界記録を出した時のレースを見て、刺激を受けたそうです。佐藤選手の強さにあやかって『最高の笑顔』を見たいです!


▽試合予定

11/16(土)午前0:02 女子400m T20決勝
※予定は変更になる場合があります。


【関連記事】

「パラ陸上 世界選手権2019」日本代表、外山愛美(2019/11/2)

「やる気スイッチ」で日本記録を次々更新 パラ陸上・外山愛美(2019/3/18)

2020、知的障害初の陸上メダリストを目指して 笑顔の新星、外山愛美(2018/10/2)




■2冠なるか? 大腿義足 100m・レオン・シェファー(ドイツ)T63

写真:金メダルを首にかけて笑顔のシェファー

先日の走り幅跳びで、山本篤選手を破り、自身の持つ世界記録まであと9cmと迫る記録で金メダルを獲得した、ドイツの新鋭シェファー選手
100mでも金メダル獲得を目指して決勝に臨みます。


写真:インタビューに答えるシェファー

予選の後にお話を聞いたところ、
「(予選で出した12秒56というタイムについて)割と簡単にできたよ。50−60mくらいまではそれほど力まずに走って、それからは流れに任せて走った感じだった。100mでもメダルを獲得したい、それが僕の目標さ。絶対に取りに行くよ。決勝では自己ベストの12秒29を切れたら満足だね。」
と話していました。


写真:余裕の表情で走るシェファー

予選では、力を抜いてリラックスした走りだったシェファー選手。
彼はこれまで大きな大会でタイトルを獲得したことがないのですが、今季になって急成長してきました。

それは“体幹などの筋肉”を徹底的に鍛えたことが要因だと言います。
「けがをした後、今こそ頑張らなければいけないと思い、自分の全てを注ごうと奮起してトレーニングをやってきました。技術的には、完璧だとは思っていませんが、義足の方で踏み込むときに外側に押し出す力が働かないように、もっとお尻と大臀筋を使って前に押し出すようにしています。」

写真:シェファー選手にインタビューする後藤リポーター

22歳の若手選手が、今大会さらに羽ばたくのか。
注目のレースが始まります!


▽試合予定

11/15(金)よる11:53 男子100m T63決勝
※予定は変更になる場合があります。


【関連動画】

金メダル獲得!レオン・シェファー 男子走り幅跳びT63決勝(2019/11/10)

「パラ陸上 世界選手権2019」ドイツ代表、レオン・シェファー(2019/11/2)



・・・

日本では夜中の放送なので、連日お疲れの方も多いと思いますが、最後の最後まで『パラ陸上』を応援してくださいね!



11月のパラ陸上は、総合テレビで連日生放送!放送スケジュールや選手動画などが掲載を掲載している特設ページは、画像をクリック!

画像:パラ陸上世界選手権 特設サイト_11月7日から連日生放送


選手情報

キーワード

後藤佑季
後藤佑季

後藤佑季(ごとう・ゆうき)

1996年7月30日生まれ 岐阜県出身 聴覚障害(人工内耳使用) 【趣味・特技】料理、カメラ、書道準五段、手話技能検定準2級 【スポーツ歴】陸上(100m走など短距離)、水泳、バドミントン 【抱負】私の聴覚障害(難聴)のような『目に見えない障害』の存在を伝え、様々な障害のある人とない人との橋渡し役になれたらと思っています。自分の身体ではないものを最大限に生かし、自らの可能性を広げる、超人たちの「常識を超える瞬間」を多くの方にお伝えしていきたいです!

おすすめの記事