ステイホーム期間中の日常 ~「大変だね」と言われるけれど  千葉絵里菜

2020年7月17日
写真:パソコン作業をする千葉リポーター

お久しぶりです。リポーターの千葉です。

脳性まひという障害がある場合、新型コロナウイルスに感染すると、重症化する可能性があると言われています。そういうこともあって、私は3月下旬から自宅での作業を中心に仕事をするようになりました。
在宅では、「おうちでやってみるボッチャ」や、私と同じ重度障害のある人の生活は今どうなっているか、などの取材やリモート出演などをしました。

正直、私自身、ここまで世の中が大変なことになるとは想像できなかったです。
4月7日に緊急事態宣言が出て、おうち時間(取材やリモート出演を含む)が始まりました。
まず、私が一番に考えたのはヘルパーさんのことでした。
私は、脳性まひで電動車いすを使っており、洗濯機を回す…くらいの家事はしていますが、24時間ヘルパーさんに、入浴介助、寝ているときの体位交換や排泄介助、移乗介助などを支えてもらわないと生活できません。


・感染予防のために気を付けていること

私は、ヘルパーさんと一緒にウイルスを予防しています。例えば…
○ヘルパーさんが玄関から入る時には、消毒スプレーを全身にかけてもらう
○次に、手洗い、うがいをしてから、洗濯や食器洗いなどの家事全般を手伝ってもらう
○排泄介助、入浴介助のたびに手を消毒
○帰る時には、除菌シートで床やドアノブを拭いてもらう


その後、新しいヘルパーさんが交代で来てくれます。


・ヘルパーさんに会うことは、人と接触すること?

それまでは、介助事業所のサービス管理責任者の方と相談をしながら、一週間に5人のヘルパーさんがローテーションを組んで来てもらっていました。
私のヘルパーさんは、公共交通機関を使っている人がほとんどなので、ヘルパーさんの安全も考えなければなりません。
また、私は、たくさんのヘルパーさんに支えられている一方、たくさんの人と接触することになるので、事業所の方と「どうすれば感染リスクを抑えられるのだろう」と考えました。
※サービス管理責任者…障害者総合支援法に基づき、「障害福祉サービス」を提供している事業所ごとに、配置を義務付けられた責任者のこと


その中で、北海道時代、同じ福祉の勉強をしていたお友達で、ヘルパーの資格をもっている方がいました。
彼女は普段、お化け屋敷などのイベントを制作しながら、エンタメ系の学校に通っているのですが、コロナでイベントや授業も中止になり、仕事がない状況でした。
一方、私は「感染リスクを防ぐ=公共交通機関を使わない」と考えると、ヘルパーさんの数をなるべく制限したい。

そこで、彼女と事業所の方と3人で話し合い、
本人了承の元、自宅の一室を寝泊りする場所として貸し出すことにしました。
一週間のうち、5日間は介助してもらい、
それ以外の日は、学校のオンライン授業や、休息日にしてもらいました。


最初は、介助面でお互いに不安がありました。
さらに、お友達ということで「どこまでお願いしていいのか」と思う時もあり、二人の間に戸惑いの空気が流れることもありました。
でも、徐々に「言い合える関係」となり、前よりさらに喜怒哀楽を見せられる仲になりました。

おうちでは、二人で音楽動画を見て楽しんだり、料理アプリの有料会員になって、彼女に手伝ってもらいながら普段しない料理をしたり、料理を極めてみました♪( ´▽`)
また、巷で話題沸騰中のダルゴナコーヒーを作って、2021年の社会福祉士の国家試験の勉強もしました。

大変有意義なおうち時間でした。


6月からは彼女の学校が始まり、
今までのヘルパーさんを徐々に増やしながら、ヘルパーさんの力を借りて生活しています。

写真:お化けメイクの千葉リポーター(左)と、ヘルパーさん(右)

私が、外に全く出ることができず落ち込んでいたときに「外に出ることができないなら、お化けメイクしない?」といってくれて、彼女と二人でこんなメイクをしました


・私は“大変”だった?

ここ最近「車いすで一人暮らし、大変じゃない?」と聞かれます。
確かに新型コロナウイルスの影響を受けて、
ヘルパーさんの確保というところでは大変な部分がありました。

でも、普段の生活では、みなさんと大きく変わらないと思います。
確かに、ヘルパーさんに物事頼む時の頼み方などの大変さはありますが、長年ヘルパーさんと一緒に暮らしている上で私にとっては当たり前のことなのです。
なので、大変だと思ったことはありません。

これから大変だと思うことが出てくるかもしれませんが、新型コロナウイルスが落ち着いて、普段の生活に戻ったとしても、千葉絵里菜にとっての「当たり前を貫いていけたら」と思います。
…と言っても、新型コロナウイルスは無くなることはないと思いますから、これからも、自分のために、そして、いつも支えてくれるヘルパーさんのために、感染予防をしっかりして、ウィズコロナでリポーター業務を頑張りたいです


最後に、こういう大変な状況でも働いてくれている皆さま、
特に、医療従事者のみなさんに敬意を示したいと思います。
いつもありがとうございます。



【関連記事~私の“脳性まひ”について】

「脳性まひ」を知ってほしい(前編)(2019/10/29)

私が脳性まひと向き合ってきた24年(中編)(2019/11/4)

自分との向き合い方で変わった“脳性まひ”(後編)(2019/12/2)


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千葉絵里菜(ちば・えりな)

1994年11月3日生まれ 北海道出身 脳性まひ(電動車いす使用) 【趣味・特技】ファッション、初級障がい者スポーツ指導員 【スポーツ歴】電動車いすサッカー、電動車いすスラローム、車いすカーリング 【抱負】パラリンピックの目標の一つとして、“共生社会”というものがあります。パラリンピックを機にみんなが一緒に楽しく過ごしていけるということを私自身とっても楽しみです。取材やリポートを通して笑顔で伝えていきます。

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