LGBTQの情報拠点「プライドハウス東京レガシー」

2020年11月2日
写真:ハワイの砂浜にかかる二つの虹。

性の“多様性”を祝福する意味合いから、
性的少数者のシンボルとして使われる「虹色」。

「虹」ほど心をときめかせる自然現象も珍しいなぁと思いますし、
見つけるたび、自分の色が認められている気持ちになったりします。
(偶然見つけたりしたときは、絶対に写真を撮っちゃいます)


さて突然ですが「プライドハウス」という言葉を聞いたことはありますか?

直訳すると“プライドの家“となりますが、
実際その解釈は間違っていません。

■what is プライドハウス?

オリンピック・パラリンピックなどの国際スポーツ大会の開催にあわせて、セクシュアリティーを問わずあらゆる人が安心して過ごせる場所を提供することなどを目的に各国でつくられる施設。
主にLGBTQに関する地域情報や文化情報、そしてLGBTQとスポーツという視点での課題や解決方法の発信、地域の住民や来訪者問わず参加できるスポーツイベントなどの実施といった機能を提供することを目指している。
(参考:プライドハウス東京 - PRIDE HOUSE TOKYO JAPAN 2020 -ホームページ)

自身の性に誇りを持つ人たちが集える場所。
ありのままの自分に誇りを持って良いと思える場所。

1年後に東京オリンピック・パラリンピックを見据えたいま、
まさに一人ひとりのプライドを尊重する“家”が『プライドハウス東京レガシー』として、東京・新宿にオープンしました。

写真:レインボーカラーをモチーフにした、プライドハウス東京レガシーの看板

10/11(日) 国際カミングアウト・デーにオープン

こちらは、LGBTQに関する情報の発信・交流に特化した、常設となる施設。

中をのぞいてみると…
当事者同士が交流できるスペースや、
悩みなどを相談できるプライベートブース、
LGBTQに関する書籍や雑誌を取りそろえた図書コーナーなど、
広々とした空間が広がっています。
(車いすで入ることのできるトイレも有り!)

写真:プライドハウス東京レガシーの本棚

図書コーナーには現在約600冊の関連書籍。
これから用意数はさらに増やしていく予定とのこと。


東京2020大会のビジョンで掲げられている3つの基本コンセプトの一つは「多様性と調和」。
多様な人々が互いに影響し合い、異なる価値観や能力を活かし合うからこそイノベーションを生み出し、価値創造につなげていく姿を目指しています。

東京大会で生まれる「多様性と調和」を未来へつなげる大切な役割の一つとして、大会組織委員会から【公認プログラム】に認められている、プライドハウス東京レガシー。
大会後の“レガシー”になるべく、大会前からLGBTQとスポーツ・文化・教育などに関する情報発信企画を行います。
※来年の東京オリンピック・パラリンピック開催時には、大会にあわせた情報発信を検討中。詳細は未定。

もっと詳しく知りたい!
という思いのもとオープニングイベントにお伺いし、プライドハウス東京レガシーを運営する「プライドハウス東京」代表の松中権(まつなか・ごん)氏にインタビューをしました。
フェイスガード越しに快く答えてくださったので、ご覧ください♩

写真

「プライドハウス東京」代表の松中権(まつなか・ごん)氏

・・・

Q.東京オリンピック・パラリンピックをどのように考えていらっしゃいますか?

日本のLGBTQ理解への最大の"足掛かり"だと考えています。
世界中から人が東京に集まり、もちろんその中にはLGBTQの人々もいます。
恐らく、日本が今までで最も『多様性に触れる瞬間』になります。
この機会を最大限生かし、未来へのレガシーとして残すために、プライドハウス東京レガシーは誕生しました。



Q.1年後の東京大会で、この場所はどんな役割を担うのでしょうか?

LGBTQとスポーツの間に根ざす課題を「可視化」することが重要な課題です。そのための情報発信として必要なイベントを行ったり、リーフレットや映像を制作したり…。
様々な接点からLGBTQを身近なものとして知ってもらうことが大切な役割だと思っています。
また、LGBTQ当事者のアスリートの方に試合後、ここへ来て頂いてご自身のストーリや辿って来た「道のり」についてお話し頂くような機会を作れたら良いなと考えています。

そして相談スペースは、現在は日本語・英語のみ対応していますが、来年に向け協力企業と相談しながら多言語対応も考えています。
オリンピック・パラリンピックでは世界中から人が東京に来るので、誰も“置いてけぼりにしない”ことが肝心です。
そう感じてしまう人にこそ、来てもらえるような場所を目指しています。



Q.あえて今年オープンした理由は何ですか?

今年の5月から6月にかけて、若い世代(12~34歳)のLGBTQが抱える不安や困難についての声を集める調査を行いました。コロナ禍で家にいる時間が増えましたが、家族でも理解のある人ばかりではないことから、結果的に「独りぼっち」になってしまった当事者が多かったという事実が浮き彫りになったんです。
そういった人たちのためにも、今だからこそ相談できる環境・居場所を作りたいと思ったことが一番の理由です。
オンラインでの相談も受付けているので、顔や名前を出さなくても、そして東京近郊に住んでいない方でも、気軽に繋がりを持っていただけます。



Q.名前に「レガシー」が付いているのには、どんな意味が?

自分たちの決意の表れです。
東京の地にオリンピック・パラリンピックが来ることは、LGBTQ理解を広めていく最大のチャンスの1つなのでそれをどう「継続的」に生かすかが肝心です。
ただの一過性のイベントにしてしまうのでなく、一人ひとりの気持ち、意識、理解がこれを契機に変わっていく。そんな“ヒューマンレガシー”が永続していくことで、誰もが安心してすごせる社会に繋がっていくように、願いを込めて「レガシー」を付けました。

ネガティブなことはこれからも起きますし、すべての問題が一発で解決することもないですよね。そんな中でも、当事者や苦しむ人にとって、ここが変わらない希望の場所になれば良いなと思っています。

写真:パネルを持つ三上リポーター

パネルにも“LEGACY”の文字が!


Q.当事者以外の人たちに、ハウスができることは何ですか?

LGBTQを理解しようとせず、差別的な発言をする人も、いまだに沢山います。
最近も残念なニュースもありました。
ですが、そういったことを放置していても意味がないと思っています。

当事者たちが“隣にいる”ということを、どうか知って貰いたいです。
私たちが伝え、変えていくことは決して簡単なことではありません。

LGBTQと遠い存在だった人たちが「この考え方は理解が足りていなかったな?」とか「もしかして差別的だったかな?」とか。
未来に向けて少しでも視点が変わっていくキッカケになりたいと考えています。

セクシュアリティーを問わず、ここに来て何かを知りたい、学びたい方はウェルカムです!
もちろん、当事者たちにとっての安心安全な場所であることは、確実にキープしていきます。


・・・

誰も、置いてけぼりにしない。
誰も、独りぼっちにしない。

―松中さんの言葉や思いが、頭をめぐります。

自分にとっては当たり前のことで
その意図が一切なかったとしても、
たったひとつの行動や言葉が、
誰かを否定したり、差別につながったりすることもあります。

自分にとっての「普通」や「正常」が
誰かを傷つけるものではないか?
その使い方って、本当に大丈夫?
私も時々立ち止まって、考えるようにしています。


当事者にとっても、そうでない人にとっても、
やさしくありたいと願う「プライドハウス東京レガシー」。

これからこの場所でどんなつながりが生まれ、
1年後、その先にどんなレガシーが残っていくのか、
今後の活動にも注目していきます。

三上大進

三上大進(みかみ・だいしん)

1990年10月20日生まれ 東京都出身 左上肢機能障害 【資格】日本化粧品検定1級、コスメコンシェルジュ、TOEIC900点 【趣味】ショッピング、映画鑑賞、スキンケア 【スポーツ歴】スキューバダイビング、テニス 【メッセージ】パラスポーツを観たことはありますか?個性豊かな選手たち、向き合う障害、想像を超える競技…。知るほどに心が震える瞬間を1人でも多くの方に体験して頂けるように、ときめく熱いリポートをお届けします!

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