大分車いすマラソンに、懸けるー。 | 後藤佑季

陸上 2020年11月10日
写真

写真左より、渡辺勝選手、山本浩之選手、土田和歌子選手、喜納翼選手

11月15日に行われる大分車いすマラソン。
東京パラリンピックを目指す日本の選手にとって、特別な意味を持つ大会となりました。

新型コロナウイルスの影響で、1981年以来、海外有力選手を招へいして開催されてきた「大分国際車いすマラソン」としては行われず、ことしは国内選手のみの参加に。沿道の応援も自粛要請を出すなど、様々なコロナ対策を行った上での実施になります。

東京大会の延期を受け、マラソンの出場枠獲得に向けては、来年4月にロンドンで選考レースが行われる予定でした。
しかし、そのレースもなくなってしまったため、WPA(世界パラ陸上競技連盟)は出場枠の割り当てを「ランキング(※)」によって行うことを発表しました。
※正式にはマラソンランキング。2019年4月1日~2021年4月1日までの期間に出した記録をランキング化する

そもそもマラソンは、その土地のコースの形状や、レースの際の気温、湿度、風などの気候条件、そして42.195キロの間の駆け引きによって、大きくタイムが変化する種目です。
WPAが公表したランキング形式による枠獲得は、世界中から選手が集まる選考レースが行えないとはいえ、普段は一緒に走っている選手をどう抜くか考える選手たちが「タイム」という見えないものを目指して戦わねばならず、非常に難しいものになります。

このランキングは来年3月31日までに出した記録によって順位が決まります。
今のところ、今回の大分での大会以降、3月末までに日本国内で車いすマラソンのWPA公認レースが開かれる予定はありません。
男女共に車いすマラソンの世界記録が出るなど、タイムの出やすいコースと言われる大分。「記録に挑む」決戦の場となりました。

日本パラ陸上競技連盟・強化委員長の指宿立さんは、

「(ランキングを上げ、東京パラ出場に近づく)おそらく最後のチャンスと言われるこの大会で、ランキングをいかに伸ばすか。そのためには、最初の5km、10kmが大切になってきます。海外の選手がこないので、国内の選手しかいない。だから積極的に行かないと、世界との差はどんどん開く一方になります。つまり、この大会で積極的に出て記録を出せなかったら、東京大会で勝てないだろうということです」


ラストチャンスになる可能性が高い大会―。

男子では、すでに出場枠を獲得している鈴木朋樹選手、まだ枠を獲得しておらずランキングを大きく上げないといけない渡辺勝選手山本浩之選手たちが出場。どんな走りを見せるのか。現状ランキング3位の選手を上回り、枠の獲得に近づくためには、少なくとも1分37〜8秒縮める必要があります。

女子では、出場枠獲得の最短距離につけている喜納翼選手(現在ランキング4位。1~3位の選手は枠獲得済み)と、ベテランの土田和歌子選手
喜納選手は去年の大分国際車いすマラソンで出した日本記録、1時間35分50秒の更新を狙います。「久しぶりなので、まずはしっかり走り切りたいと思います」と話してくださった喜納選手の言葉に、このコロナ禍の中でも蓄えてきた力への自信を感じました。

「タイムは、風がなかったら出るかもしれません」

という指宿強化委員長。
天候を味方につけて、どこまで記録を伸ばせるのか?現場の戦いを、近日中にリポートします!

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後藤佑季
後藤佑季

後藤佑季(ごとう・ゆうき)

1996年7月30日生まれ 岐阜県出身 聴覚障害(人工内耳使用) 【趣味・特技】料理、カメラ、書道準五段、手話技能検定準2級 【スポーツ歴】陸上(100m走など短距離)、水泳、バドミントン 【抱負】私の聴覚障害(難聴)のような『目に見えない障害』の存在を伝え、様々な障害のある人とない人との橋渡し役になれたらと思っています。自分の身体ではないものを最大限に生かし、自らの可能性を広げる、超人たちの「常識を超える瞬間」を多くの方にお伝えしていきたいです!

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