It‘s Our Turn! 東京2020パラリンピック:後藤佑季が独断で選ぶパラ陸上の見どころ!

陸上 2021年8月23日
写真:東京パラリンピック陸上競技に出場する選手たち

いよいよパラリンピックです!
海外選手の中には「It’s Our Turn!」とSNSで発信している人も多くいます。

というわけで、今回は私がこれまで取材してきた蓄積を基に東京パラリンピックの陸上競技の見どころを(一部私の撮った写真とともに!)まとめてみました!
陸上は8月27日から連日、朝と夕方の2セッションが行われ、9月5日早朝のマラソンまで続きます。
注目選手・レースを「独断!」で選んだのですが、あまりに多すぎるので、泣く泣く(×1000)1セッション1レースを見どころとしてまとめました。

パラ陸上は、総合テレビやラジオでの中継はもちろん、インターネットのライブストリーミングでもご覧いただけます。

このコラムを手引きのひとつとして、大会映像を見ていただければ、あなたもパラ陸上がまるわかり🙆!
※このコラムは、8月22日時点の情報を元に執筆しています。


放送予定→ https://sports.nhk.or.jp/paralympic/programs/broadcast/

ライブストリーミング予定→ https://sports.nhk.or.jp/paralympic/schedules/

※予定は変更になる場合があります。最新の状況は都度お確かめください。


8/27(金) Morning

■T11 5000m決勝:和田伸也、唐澤剣也

パラ陸上メダル第1号なるか?
切磋琢磨して向上しあってきた44歳と27歳の2人が挑む

写真

世界ランキング(Tokyo MES Ranking)で3位に10分以上の差をつけての1位(和田選手:写真左)、2位(唐澤選手:写真右)。
リオ大会を見て「自分も輝きたい」と競技を始めた唐澤選手は、公式記録ではありませんが、5月に世界記録(15分9秒94)に相当するタイムを17年ぶりに更新するなど、力を伸ばしています。その唐澤選手に触発されるように、44歳となってもPB(自己ベスト)を更新し続ける和田選手。二人の日本人選手のレースが見どころです。(和田選手は、2019年ドバイ世界選手権でガイドの助力があるとみなされ、この種目は失格になっています)

暑い中でのレースになるので、途中まで集団で耐えて、ラスト勝負になることが予想されます。
唐澤選手は「ラストスパート」が和田選手に負けないと話し、一方の和田選手も唐澤選手のラストスパートを警戒しています。和田選手の中盤、早めに仕掛けるなどの駆け引きがあるかも?!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T52 400m予選
:伊藤智也、佐藤友祈、上与那原寛和/レイモンド・マーティン(USA)
・T54 5000m予選
:タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)
・T47 100m予選
:石田駆/ぺトゥルシオ・フェレイラ ドス サントス(BRA)
・T11 走り幅跳び 決勝
:髙田千明
 「息子に金メダルを」全盲ママさん選手の挑戦:全く見えない中でガイドの声を頼りに1人で走って跳ぶ!

8/27(金) Evening

■T52 400m決勝:伊藤智也、佐藤友祈、上与那原寛和/レイモンド・マーティン(USA)

日本表彰台独占なるか?
中年の星・58歳の伊藤、50歳の上与那原、エースの佐藤とライバルの決戦!
T52 のクラスは日本勢のメダルが最も期待される種目です!

写真

その筆頭に立つのは、エースの佐藤友祈選手(写真左)。リオ大会では400m、1500mでともに銀メダルを獲得。世界記録保持者です。そして、「おじさんの星として頑張らなあかんな!」と話す、伊藤智也選手(写真中央)。北京大会では金メダルを獲得、一度は引退したものの、2017年に復帰しました。さらにそれを追う上与那原寛和選手(写真右)。

伊藤選手はスタートに自信があり、佐藤選手は後半の伸びに自信があるという、タイプの異なる2人。伊藤選手が逃げ切れるか、佐藤選手が追いつくか、それとも上与那原選手が食らいつくか?
そして日本勢の前に立ちはだかるのは、レイモンド・マーティン選手。ロンドン、リオ大会でともに金メダルを獲得しています。調子は悪くない、とのことなので、どんなレースになるか楽しみです!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・F32 こん棒投げ 決勝
:アリア・イッサ (難民選手団) 
 難民選手団、史上初の女性アスリート、最年少20歳で東京大会へ挑む!
・T47 100m決勝
:石田駆/ペトゥルシオ・フェレイラ ドス サントス(BRA)
 パラアスリートの中で“世界最速選手”のドス・サントス、王座を守り、10秒42の記録は更新なるか?
・T54 5000m予選
:樋口政幸、久保恒造/マルセル・フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)
・T47 400m予選
:辻沙絵/アンルネ・ワイヤーズ(RSA)、デジャ・ヤング(USA)、李露(CHN)

8/28(土) Morning

■T64 走り幅跳び 決勝:中西麻耶、髙桑早生/フラー・ヨング(NED)、ステフ・リード(GBR)、マリー アメリ・ル フュール(FRA)

義足ジャンパーたちの美しき競演!世界選手権王者の中西は世界の強豪を下せるか?

写真:

2019年、日本で初めて世界の女王に君臨した中西麻耶選手。2008年に義足スプリンターとして、日本人女子初の入賞を果たすなど、パラスポーツのれい明期から活動してきた選手です。資金難に苦しんだ時期も長かったのですが、それでも「陸上が好きだから」続けてきたと言います。

2019年春から荒川大輔コーチ(世界陸上出場経験、日本人9人目の8mジャンパー)が指導するようになり、更なる進化を遂げました。課題にしていた、“これまで避けてきた「走り」”をコロナ禍で徹底的に見直し、2020年9月にはそれまでのPBを19cm更新する5m70を記録。パラリンピックで初のメダルへと大きな跳躍を見せてくれるでしょうか。

写真:義足で走る髙桑選手

そして、髙桑早生選手は、今大会が3大会目の出場。「やっと一人前になれたと思う」と語ります。パラアスリートでは3大会出場している先輩はたくさんいるため、やっと先輩方と肩を並べられるくらいになった、ということです。競技に対しても今がいちばん自信をもって自分の競技に臨めているという髙桑選手の跳躍からも目が離せません!

写真:義足で走るヨング選手

フラーヨング選手(オランダ)

そんな日本勢が立ち向かう海外勢。2019年世界選手権には産休のため欠場した、フランスのル フュール選手は、フランスのパラリンピック委員会会長としてフランスでの障がい者の地位向上にも尽力しながら、今年2月の大会で自身のもつ世界記録を更新。オランダの若手、両足義足のフラー・ヨング選手は、この2年で1m以上記録を伸ばし、去年コロナ下でついに6m超を記録、その後も6mジャンプをコンスタントに出しています。
誰が一番遠くへ跳べるのか、その義足のテクニックにも注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T54 5000m決勝
:タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)
 鉄の女王マクファーデン、ライバルのシェア。この二人の闘いは最終日のマラソンまで続く。女子車いすクラスの王者ははどっち?激しい闘いの幕開け!
・T11 400m予選
:アナニアス・シコンゴ(NAM)
・T12 100m準決勝
:サルム アゲゼ・カシャファリ(NOR)
 ドス サントス選手がもつ世界最速記録まであと0.03!コンゴ難民のカシャファリ選手。障がい、言語の壁…“難民パラアスリート”に夢と希望を―

8/28(土) Evening

■T63 走り幅跳び 決勝:山本篤、小須田順太/レオン・シェファー(GER)

日本が誇るレジェンド山本と、世界初の7mジャンパー、レオンの戦い!

写真:跳躍をする山本選手

山本選手は北京大会から4大会連続出場です。リオ大会では銀メダルを獲得、自身の集大成とする東京大会で金メダル獲得なるでしょうか?2019年5月には、当時の世界記録まであと7cmに迫るジャンプでPBを更新。

写真:ランニングをするシェファー選手

2018年に山本選手の長年のライバルであったリオ金メダリストが引退しましたが、若手選手が台頭しています。
その筆頭がレオン・シェファー選手。2020年8月に7m24の世界記録をマークし、人類初の大腿義足7mジャンパーになりました。今年、3か月近くけがによって練習できずにいましたが、復帰後は7mの記録を出しています。

さらに、今年6月にはダニエル・ワグナー選手(デンマーク)が7m15を記録していて、山本選手曰く「7mの戦い」になるとのこと。さらにオランダの若手、ヨエル・デ ヨング選手(オランダ)は6m81を同じく6月に記録、山本選手のPBを上回っています。

写真:跳躍をする小須田選手

一方、日本の小須田順太選手は、山本選手が講師を務めるランニングクリニックに参加したことがきっかけで陸上を始め、2019年には山本選手の教えを求めて、拠点を大阪に移したのです。「篤さんがいなければ、競技すらやっていない。きっかけを与えてくれた人に大きな舞台で勝ちたい」と話します。

どんな「7mの戦い」になるか、注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T54 5000m決勝
:樋口政幸、久保恒造/マルセル・フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)
 車いすレーサーの駆け引きとスピードを味わう一戦!日本勢は海外勢に食らいつけるか?
・T36 400m予選
:松本武尊
・T52 1500m予選
:伊藤智也、佐藤友祈、上与那原寛和/レイモンド・マーティン(USA)
・T47 400m決勝
:辻沙絵/アンルネ・ワイヤーズ(RSA)、デジャ・ヤング(USA)、李露(CHN)
 リオ銅 辻、「自分なりに苦しんだ」という5年間を経てPB更新!東京でも悲願のメダル獲得なるか

8/29(日) Morning

■T12 走り幅跳び 決勝:澤田優蘭

進行する視覚障がいとともに― ガイドとのコンビネーションは?

写真:伴走者と走る澤田選手

2008年の北京パラに当時最年少の17歳で出場した澤田選手。一度は陸上から退き一般企業に就職しましたが、競技への思いが再燃し復帰。その際、障がいの進行により1つ重いクラスになりました。

澤田選手の視覚障がいは、「左右と下が見える」という「見えにくさ」です。アップはどこでするのか、今走っていいのか、食べ物は何があるのかなど、「その場で行う判断」だけで疲れていましたが、ガイドをつけることができるクラスになったことで、その負担が軽減されたといいます。さらにガイドの塩川竜平さんは柔道整復師でもあり、体のメンテナンスも!ダイナミックなフォームが特徴で、走り幅跳びでは金メダル獲得が目標だそう!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T34 100m 決勝
:ハナ・コックロフト(GBR)
 世界新の連続!ハリケーンハナ、国立競技場でも台風を巻き起こすか?
・T54 400m予選
:ヤシン・ガルビ(TUN)、章勇(CHN)

8/29(日) Evening

■T52 1500m決勝:伊藤智也、佐藤友祈、上与那原寛和/レイモンド・マーティン(USA)

日本表彰台独占?!
エース佐藤の「金メダル宣言」、中年の星・58歳の伊藤、50歳の上与那原も負けない!

写真

かねてから「世界新を出して、金メダルをとります」と公言している佐藤選手(写真左)。宣言通りとなるでしょうか?
そして「新橋のアイドル(本人談)」伊藤選手(写真左から2番目)、上与那原選手(写真右から2番目)も負けじと食らい付くはずです。

日本勢のライバル、レイモンド・マーティン選手(写真右)は、コロナ禍で筋力トレーニングに励み、何回りもパンプアップ。元々強かったスタート、そしてスピードをさらに強化してきたといいます。「3つの金メダルを目標にしているが、日本選手が強いので、とても面白い、自分たちにとってはタフなレースになると思うよ!」と話していました。

どんな駆け引きで、どんなレースになるのか一瞬たりとも見逃せません!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T11 400m決勝
:アナニアス・シコンゴ(NAM)
 弓矢とロバにより失明、ナミビアの男子選手初の金メダリストの本命種目!
・T13 100m決勝
:ジェイソン・スミス(IRL)
 前世界最速の選手。パラ世界最速記録まであと0.04! 10年間無敗の男は8つ目の世界タイトル獲得なるか?
・T64 100m予選
:大島健吾/ヨハネス・フロアス(GER)、ジョニー・ピーコック(GBR)、フェリックス・シュトレング(GER)

8/30(月) Morning

■F46 やり投げ決勝:山﨑晃裕、白砂匠庸

切さたく磨して世界トップまで上り詰めてきた2人、投てき初のメダルなるか?

世界ランキング(Tokyo MES Ranking)で6位の白砂選手(60m63)、7位の山﨑選手(60m09)。ただ、トップ5は1mの中にひしめき合っていて、メダルの可能性も夢ではありません!

写真:やり投げをする山﨑選手

山﨑選手は幼少期から、ご両親に「障がいがあるからやめておきなさい」と言われることなく、「どうしたらできるか」を考えて、できるようになる喜びを感じながら育ってきました。平凡な人生はつまらない、ハンデがあった方が面白い、と話します。

写真:やり投げをする白砂選手

一方の白砂選手は、対照的に思春期の頃は人と違う手が恥ずかしくて、義手をつけていました。パラ陸上を始めて、「ありのまま」でいる選手たちを見て、「恥ずかしくない」と思うようになったと言います。

山崎選手は記録が伸び悩んでいましたが、コロナ禍で競技場が使えない時期にひたすら河川敷で小石を投げたことで、失われていたしなやかさを取り戻し、2020年9月には久しぶりに60m台に乗せてきました。白砂選手は大会が行われる、国立競技場で行われたテストイベントでPBを更新、内定を引き寄せ、1年前から比較して約6m伸ばしてきました。

2人とも、やり投げの魅力を「きれいな放物線を描いていくところ」と話していました。2人のやりが描く放物線に注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T11 1500m予選
:和田伸也、唐澤剣也
・T11 100m 予選
:髙田千明
・T54 1500m予選
:樋口政幸、鈴木朋樹/マルセル・フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)
・T33 100m決勝
:安野祐平

8/30(月) Evening

義足界の最速王が決まる!
■T64 100m決勝:大島健吾/ヨハネス・フロアス(GER)、ジョニー・ピーコック(GBR)、フェリックス・シュトレング(GER)、ジャリド・ウォレス(USA)


世界の最速スターたちが集結!
義足とともに魅せる彼らの美しい走りに注目!

写真:スタートする大島選手

大島選手は延期によって一気に代表の座に駆け上がってきたシンデレラボーイ。本人も「延期していなかったら自分は出られていない」と話します。パラ陸上2戦目となった2020年9月の大会で優勝し、一躍日本代表に名乗りをあげました。大島選手は、自分の脚の長さでは、競技用義足を履けないと思っていたそうで、「自分と同じような境遇の子ども達にできる、ということを伝えたい」と話します。

写真

そして注目は、2019年世界選手権で、世界記録を出して優勝したヨハネス・フロアス選手(左)。2020年、コロナに感染しましたが、今は完全に復活したといいます。「The fastest man with no legs=脚はないけど最速の男」として覚えてもらいたいと話します。

フロアス選手の世界記録に迫るタイム10秒72を、今年7月に出したのはフェリックス・シュトレング選手(左から2番目)。2020年の秋に「自分はもっと早く走れるはず」と、ロンドンに練習拠点を移しました。義足も、環境も、走りも変えたことが、PBにつながったのだと話します。

さらにさらに忘れてはいけないのが、ロンドン・リオと2連覇中、スーパースターのジョニー・ピーコック選手(右から2番目)!ひざのけがによって2019年の世界選手権は欠場しましたが、1年延期によって、回復期間が得られたといいます。「10秒5がメダルラインになるだろう。世界の壁は高くなってきたが、勝つのは僕だ」と話します。

一発勝負のアメリカ代表選考会で10秒台を出したジャリド・ウォレス選手(右)。2019年の世界選手権では第一子が生まれたため欠場。息子の応援を胸に、東京へ挑みます!

世界ランキングTOP3の3人は口を揃えて「今大会がパラリンピック史上最速の、これまでで最もエキサイティングな試合になる」と話していました。誰が「義足の世界最速」の名を手に入れるのか大注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T63 100m決勝
:山本篤、小須田順太/レオン・シェファー(GER) 、ダニエル・ワグナー(DEN)
 日本のレジェンド、そして世界の若手たちが大腿義足の世界最速を目指す!
・T20 400m予選
:外山愛美/ブリアナ・クラーク(USA)
・T54 1500m予選
:タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)

8/31(火) Morning

■T54 1500m決勝:樋口政幸、鈴木朋樹/マルセル・フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)

車いす種目の花形種目!
レーサーの駆け引きとスピードを味わう一戦!樋口選手・鈴木選手 vs 海外の“モンスター”

写真:トラックを走る樋口選手

樋口選手は今回でパラリンピック連続3回出場の“ベテラン”。リオ大会では、この種目で日本人初の決勝進出を果たしました。2大会連続の決勝進出を目指します。

写真:トラックを走る鈴木選手

対して、パラリンピック初出場の鈴木選手は、日本の車いすクラスの若きエース。東京大会の次、パリパラリンピックでの金メダルを見据えている、冷静沈着さが魅力の選手です。そんな鈴木選手は海外選手のことを「モンスター」と表現します。それは、スタート時のスプリント力や長距離での持久力など、並外れた能力に敬意を表しているからです。鈴木選手は、スタートと同時に世界のモンスターに負けないスタートダッシュを磨いてきました。

写真:銀色のヘルメットのフグ選手

対するモンスター、その1:マルセル・フグ選手は、その速さと銀色のヘルメットから「銀色の弾丸=Silver Bullet」と呼ばれています。2010年からプロ選手として活躍し、今回の大会に向けてレーサーをF1関連のメーカーが手掛けたレーサーで出場するとのこと。

写真:トラックを走るローマンチャック選手

モンスター、その2:若干23歳の若手、ダニエル・ローマンチャック選手。圧倒的な腕の長さ(立位の選手でいう脚が長いこと)を武器に、近年好成績を収めています。コロナ禍では母親と共にオンラインでマラソンレースを開催したり、子ども向けのオンラインキャンプも行ったりしたそう。ニューヒーロー誕生となるでしょうか。

この種目が、車いすクラスの花形種目と言われるゆえんは、長さ2メートル近いレーサーを活かしての駆け引きとスピードの要素が一体となっているから。選手たちがどこで仕掛けて、どこの位置にいるのか見逃さないでください!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T11 1500m決勝
:和田伸也、唐澤剣也
 5000mに続き、ダブル金銀なるか?
切磋琢磨して向上しあってきた43歳と27歳の2人が挑む
・T12 400m決勝
:オマーラ・ドゥランド(CUB)
 2011年から10年間負けなし、世界最速女性パラアスリート(100m)のデュラン。400mでは連勝記録更新なるか!
・T36 400m 決勝
:松本武尊
 「陸上が僕の生きる道」 脳出血で奪われた人生を、取り戻すために―1年延期で生まれた注目の若手ホープ!
・T47 100m予選
:アンルネ・ワイヤーズ(RSA)、デジャ・ヤング(USA)、メイソン・ブリットニ(USA)

8/31(火) Evening

■T20 400m決勝:外山愛美/ブリアナ・クラーク(USA)

見返すためにTOKYOへ―
 延期で一時は陸上から離れた外山、最後は笑って終われるか?

写真:スタートをする外山選手

外山選手は軽度の知的障がいがあり、奥松美恵子コーチと2人3脚でここまできました。延期になり、「1年延期」を5年くらいに感じたそうで、一時は陸上から離れたものの、パラリンピック出場の可能性があることがわかり、陸上を再開しました。「陸上は嫌い」と話しますが、それでも続ける原動力は小学生の時にいじめられた経験から「見返してやりたい」という思い。2019年世界選手権の時には8位で悔しくて涙。今回はうれし涙になるか?

写真:サングラスで笑顔のクラーク選手

対してこの種目、圧倒的に強いのがアメリカのブリアナ・クラーク選手。母親がオリンピアン(1976年モントリオール五輪・1600mリレー銀メダリスト、400m5位)で、コーチとして彼女にわかりやすく指導しているそうです。双子の兄、ラシャールもスプリンターで2020年の全米 屋内選手権で400m金メダル。2位に1.7秒近く差をつけていて圧倒的強さを誇っています。クラーク選手は金メダルを取った後、踊るのが好きだそう。ゴール後の動きに注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T54 1500m決勝
:タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)
 鉄の女王タチアナ、そのライバルのマヌエラ。連日メダルを獲得しまくるショー、3日目!
・T63 走り高跳び 決勝
:ウカシュ・マムチャシュ(POL)など
 片脚で身長以上のバーを超えていく!まさに“超人”パフォーマンス
・T64 200m決勝
:キンバリー・アルケマデ(NED)、イルムガルト・ベンズーザン(GER)、マーレーネ・ファン ハンスウィンクル(NED)
 義足女子たちの戦い:曲走路での義足の扱いに長けているのは誰だ??義足ならではの後半の伸びに注目!

9/1(水) Morning

■T54 100m予選:村岡桃佳

夏冬異例の二刀流!
苦しい中でつかんだ東京への切符、メダルに絡めるか?

写真:ピンクの車いすでトラックを走る村岡選手

村岡選手は冬のパラリンピック、ピョンチャン大会で冬季パラにおける日本選手最多のメダル5個(金1、銀2、銅2)を獲得。21歳0か月での金メダル獲得は冬季パラ史上最年少記録でした。

ピョンチャン大会では、日本との距離が近かったこともあり、他の大会よりも“ホーム感”を感じたといいます。「とてもうれしくて、力になった。これが自国開催になったらどうなるんだろう?体験してみたい」と、陸上をもともとやっていたこともあり、二刀流の挑戦を決意。2019年6月から本格的にパラ陸上の大会に参加し、2年で代表の座をつかみ取りました。

ですが、東京大会の1年延期が決まり、北京大会との間隔はわずか半年に。2021年2月〜4月は北京パラの選考も重なり、2週間ごとに雪山と陸上競技場を行ったり来たり。「本当に苦しく、つらかった」と話します。決勝進出が目標の村岡選手、“二刀流”の挑戦に注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T11 100m予選
:アナニアス・シコンゴ(NAM)、デイビッド・ブラウン(USA)、ティモシー・アドルフ(FRA)
・T54 100m予選
:生馬知季/レオペッカ・タハティ(FIN)

9/1(水) Evening

■T64 走り幅跳び 決勝:マルクス・レーム(GER)

世界で“最も有名”なパラアスリート国立競技場に降臨!「砂場を小さく見せ、オリの記録を超える」大ジャンプは?

写真:脚を折り曲げて幅跳びをするレーム選手

レーム選手が今年記録したPBは驚異の8m62。これはリオオリンピック、東京オリンピックの金メダリストの記録を上回っています。そんな絶対王者は、その記録が義足の優位性によらないことを示すために長らく義足を変えてきませんでした。しかし2019年、自ら世界初となる「幅跳び専用」の義足を共同開発し、ついに義足を変更。自らを徹底的に鍛え上げ、最高の肉体を持つ王者が、最高の義足を自分の足にしたとき、世界は彼の跳躍にくぎ付けになるでしょう!
東京オリンピックの特例出場を求めていたが、認められず。同じ大会で(今回で言うと東京)オリンピックの記録をその後のパラリンピックで超えてやる、と意気込む、「障がい者」へのイメージを壊してくれる彼のダイナミックな跳躍に注目です!


〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T54 100m決勝
:生馬知季/レオペッカ・タハティ(FIN)
 最速の車いすランナーは誰だ?!
車いすのスピードに圧倒される種目。
・T12 100m予選
:澤田優蘭/オマーラ・デュラン(CUB)
・T11 100m準決勝
:アナニアス・シコンゴ(NAM)、デイビッド・ブラウン(USA)、ティモシー・アドルフ(FRA)
・T54 100m決勝
:村岡桃佳
 夏冬異例の二刀流!苦しい中掴んだ東京への切符、メダルに絡めるか?

9/2(木) Morning

■T54 400m予選:タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)

鉄の女王マクファーデン、そのライバルのシェア。連日メダルを獲得しまくるショー、5日目!

写真:車いすマラソンでゴールをするマクファーデン選手

マクファーデン選手は、夏季パラリンピックでは5大会連続の出場!ロンドン大会では3冠、リオ大会では金メダル4個、銀メダル2個を獲得した「鉄の女王」。2017年に血栓症により手術を3回受けるも、うまくいかず、回復するのに約2年を要しました。今大会は「新しい」自分で臨むといいます。

写真:スイスの旗を掲げて笑顔のシャー選手

一方のシェア選手は、タチアナ選手と同じく2004年から出場。マクファーデン選手が圧倒していたのですが、2017年に日本の車メーカーが開発したレーサーを使うようになってから、才能が開花し、主要マラソン大会で優勝を重ねるようになりました。

マクファーデン選手とシェア選手は、まさに実力伯仲。2人は400mからマラソンまで出場するため、勝負は大会期間何度も繰り広げられます。レーサーはその特性上、立位と違って、幅広い種目に出場するのが特徴だからです。この2人が各種目でどんな激闘を繰り広げるのか注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T54 800m予選
:鈴木朋樹/ヤシン・ガルビ(TUN)、フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)
・T12 100m準決勝
:澤田優蘭/オマーラ・ドゥランド(CUB)
 2011年から負けなしの世界最速女性パラアスリート!11秒40の記録の行方は? 2冠を目指した走りに注目!

9/2(木) Evening

注目種目、目白押し!
■T63 走り幅跳び 決勝:兎澤朋美、前川楓/バネッサ・ローウ(AUS)、マルティナ・カイローニ(ITA)

女子大腿義足ジャンパーは4m超えが当たり前の新時代に!誰が新時代の女王に輝くか?

写真:跳躍をする兎澤選手

兎澤選手は大学に入学と同時にパラ陸上をはじめ、この2年でPBを40cm以上更新しています。メダルラインの5mも、練習で跳べていると話し、取材の時には「5m、待っててください!」と言ってくれました。1本目を大事にしているのでまずはそこを見てほしい。次に、助走の速度が見るからに変わっているので、以前と比較して見てほしい、とのこと!

写真:跳躍をする前川選手

前川選手は、リオ大会出場、4位。去年からコーチを変え、レジェンド・山本篤選手の元に弟子入りをしました。師匠の指導により記録を伸ばしています。

兎澤選手と前川選手は同年代ということもあり、切さたく磨して記録を伸ばしてきました。2人とも負けず嫌い。「勝つのは私」と話しています。

対する海外勢、まずは世界女王のバネッサ・ローウ選手。

写真:両脚義足で跳躍をするローウ選手

2016リオ大会・走り幅跳び金メダル、100m銀メダル、2019世界選手権・走り幅跳び金メダル。東京大会の後、引退する予定でしたが延期のため、2021年でキャリアを終えることにしています。コロナ禍でフォームの改善に取り組み、今年の3月に5m32(PBをドバイから30cm更新)の世界記録をマークしています。

写真:跳躍をするカイローニ選手

そしてイタリアのカイローニ選手は、2021年6月には5m19のPBを更新。2019年世界選手権の際は直前でドーピング疑惑により欠場。その後疑いが晴れ、大会に出場できるようになりました。世界選手権では競えなかった彼女たちの競演に注目です!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T62 400m予選
:ヨハネス・フロアス (GER)
 TOKYOのスター間違いなしのフロアス選手、両下腿義足のヒーローオスカー・ピストリウス超えを目指す!
・T54 800m決勝
:鈴木朋樹/ヤシン・ガルビ(TUN)、フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)、章勇(CHN)
 日本の車いす界のエース、鈴木選手のメイン種目!世界の“モンスター”たちにどこまで追いつけるか?
・T11 100m決勝
:アナニアス・シコンゴ(NAM)、デイビッド・ブラウン(USA)、ティモシー・アドルフ(FRA)
 全盲のクラスの100mは大混戦、ガイドとのシンクロ率に注目! 
・T64 100m予選
:髙桑早生/フラー・ヨング(NED)、マーレーネ・ファン・ハンスウィンクル(NED)
・T52 100m予選
:伊藤智也、大矢勇気/レイモンド・マーティン(USA)
・T13 400m予選
:佐々木真菜

9/3(金) Morning

朝セッションだけど、注目種目が目白押し!
■T20 1500m決勝:赤井大樹、岩田悠希、十川裕次/マイケル・ブランニガン(USA)

東京大会の延期で、実力が伸びてきた日本選手たち(世界ランキングメダル圏内)はどこまで世界に追いつけるのか?
世界ランキング(Tokyo MES Ranking)で3位の赤井選手、6位の十川選手、7位の岩田選手。3秒の間に2位から7位が入っている混戦です。

写真:トラックを走る岩田選手

岩田選手は自閉傾向のある広汎性発達障がいで、人とのコミュニケーションが苦手ですが、「陸上に育てられました」とお母さんは話していました。数字にこだわりがあるため、練習では設定タイムをクリアするのが楽しいそうです。下稲葉耕己コーチと二人三脚でメダルを目指しています。

写真:トラックを走る赤井選手

赤井選手(写真中央)は10歳で陸上競技を始め、高校駅伝の名門・智辯学園で走力を鍛えました。赤井選手もまた、「陸上に育てられた」とお母さんが話していました。陸上を始めて靴ひもを結ぶことができるようになったり、自分の状態を説明することでコミュニケーションも取れるようになったりしたそう。陸上は“生活そのもの”だと言います。2021年4月にはPBを更新、日本記録から3秒縮めました。世界選手権ではラスト勝負ができなかったので、2年経ってどこまで競えるか楽しみだそうです。

写真:トラックを走る十川選手

十川選手は、物事の記憶や計算が得意ではないそう。陸上の強豪、大分東明高校に進学し、全国都道府県対抗駅伝、全国高校駅伝に出場経験があります。選手選考会の一発勝負にPBを7秒更新するレースで代表の座を掴みました。選考会には入院中のお父さんが応援に来てくれたそうで、パラで金メダルを取ってお父さんにかけてあげたい、と話していました。

写真:アメリカ国旗を掲げるブランニガン選手

この種目で圧倒的に強いのがマイケル・ブランニガン選手です。世界ランキング(Tokyo MES Ranking)で2位に4秒以上の差をつけていますが、2019年の世界選手権では脱水症状を起こし、メダル獲得なりませんでした。きっとその悔しさを晴らしに東京に来るでしょう!


■T20 1500m決勝:古屋杏樹、蒔田沙弥加、山本萌恵子


東京大会の延期で実力を伸ばした古屋選手、「陸上は私の居場所」

写真:トラックを走る古屋選手

世界ランキング(Tokyo MES Ranking)で2位につけている古屋選手。発達障がいがあり複雑な運動や状況理解が苦手だそうで、急な予定変更に不安を感じるため、延期になった時は落ち込んだと言います。男子選手と一緒に練習することで力をつけてきました。自分のペースで走れればメダルが狙えると思う、と話しています。

写真:トラックを走る蒔田選手

蒔田選手は今回が3大会目の出場で、過去2大会連続で入賞しています。「いつも応援してくれるお母さんにメダルを取って報告して、コーヒーフロートで乾杯したい!」と話していました。

写真:トラックを走る山本選手

山本選手は18歳でリオ大会出場経験があります。大会の時には空き時間に刺しゅうをしているのですが、とてもきれいな刺しゅうなんです!

古屋選手が自分のペースでレースができれば、メダルもあり得るかもしれません!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・ユニバーサルリレー予選

 まさに「パラリンピック」!多様性を象徴する新種目。各国のメダリストたちが勢揃い!
・T52 100m決勝
:伊藤智也、大矢勇気/レイモンド・マーティン(USA)
 中年の星・58歳の伊藤選手、目指すは3つ目のメダル!現在、世界ランク2位の
大矢選手の活躍も期待!
・T64 走り高跳び決勝
:鈴木徹
 6大会連続出場のパイオニア、まだパラリンピックでメダルを手にしていない鈴木選手、悲願のメダル獲得なるか?
・T47 400m予選
:石田駆/ぺトゥルシオ・フェレイラ ドス サントス(BRA)

9/3(金) Evening

■ユニバーサルリレー決勝

まさに「パラリンピック」!多様性を象徴する新種目。各国のメダリストたちが勢揃い!

写真:脳性まひ選手→車いす選手、義足選手→脳性まひ選手、上肢障がい選手→脳性まひ選手など、多様なタッチワーク

個人の走力の合計では、海外有力チームに劣ってしまう日本チーム。各国、各クラスのメダリストがチームとなり、アベンジャーズのようなスター揃い。日本が勝つための鍵となるのが、一般の400mリレーと同じく「つなぐ」こと、すなわち「タッチワーク」なんです。日本チームは健常者のリレーと同じく、データを大切にロジカルにタイムを追求してきました。1年延期により、若手が急成長。メンバーが大幅に入れ替わり、どんな走りを見せるのか楽しみです!

ちなみに、ユニバーサルリレーでは、速度差があることで、タッチワークがとても難しく、2019年の世界選手権でも、日本を含む強豪4チームが失格しています。さらに、視覚障がいの選手がいるので、1チーム2レーン。つまり決勝進出は4チームのみという厳しい戦いなのです!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T62 400m決勝
:ヨハネス・フロアス (GER)
 TOKYOのスター間違いなしのフロアス選手、両下腿義足のヒーローオスカー・ピストリウス超えを目指す!
・T61 200m決勝
:ヌタンド・マラング(RSA)、リチャード・ホワイトヘッド(USA)
 両大腿義足の選手たちが国立競技場を駆け抜ける!

・T64 100m決勝
:髙桑早生/フラー・ヨング(NED)、マーレーネ・ファン・ハンスウィンクル(NED)
 義足のクラス、世界最速女王の座は誰の手に?
オランダ勢の3人が表彰台独占か?
・T51 100m決勝
:ピーター・ジェイン(BEL)
 車いすの最重度障がいの選手
たちが「できないことはない」のだと伝えてくれる、パラリンピック“らしい”種目

9/4(土) Morning

■T13 400m決勝:佐々木真菜

あと一歩で届かなかったメダルへ!
陸上強豪実業団で実力を伸ばす

写真:トラックを走る佐々木選手

佐々木選手は福島出身で東日本大震災でも被災。すりガラスのような見え方で、5mくらいまでがぼんやり見えるそう。陸上では内側のレーンを踏むと失格になるので、レーンを踏まないよう、真ん中を走るようにしています。晴れた日は光が多く、線が見えにくいため感覚でレーンを走っているんです!
高校卒業後、世界選手権に出るような日本トップレベルの選手(主に400m)を輩出する企業のクラブに所属。身長154cmと小柄ですが、直線で加速してぐんぐん歩幅を伸ばし、減速せず巧みにコーナーを回るのが特徴。2019年の世界選手権ではメダルまであと一歩の4位。今度こそはメダルなるか?!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T34 800m決勝
:ハナ・コックロフト
 2冠なるか、世界新の連続!
ハリケーンハナ、国立競技場でも台風を巻き起こすか?
・T63 100m予選
:兎澤朋美、前川楓/マルティナ・カイローニ(ITA)、アンブラ・サバティーニ(ITA)
・T64 200m予選
:大島健吾/ジャリド・ウォレス(USA)、フェリックス・シュトレング(GER)
・T47 200m予選
:辻沙絵/アンルネ・ワイヤーズ(RSA)、デジャ・ヤング(USA)、メイソン・ブリットニ(USA)

9/4(土) Evening

■T47 400m決勝:石田駆/ぺトゥルシオ・フェレイラ ドス サントス

インカレを目指し、夢は健常者と障がい者の垣根をなくすことと語る石田選手。「金メダル」は有言実行なるか?

写真:トラックを走る石田選手

石田選手は、骨肉腫という骨のがんで、肩の関節を人工関節に。肩が使えなくなった分、肩甲骨を意識するようになりました。よく口にする言葉は、「パラへ“転向”ではない」ということ。一般の陸上と両立しているのです。

2020年は石田選手にとって、けがで苦しんだ1年でした。障がいがあるからできないと思っていた筋力トレーニングも、この機会にやろうと決意。きっかけは、パラ陸上の先輩たちに「できることは精一杯やるんだ」と言われて、逃げずにやろうと思ったと話します。
そんな石田選手が、成人式の日にかいた目標は「東京大会で金メダルを取ること」。その目標達成なるでしょうか?!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T20 走り幅跳び 決勝
:小久保寛太
 2021年頭にひざのけがで入院も、樋口コーチのポジティブ指導で着実に力を伸ばしてきた新星
・T63 100m決勝
:兎澤朋美、前川楓/マルティナ・カイローニ(ITA)、アンブラ・サバティーニ(ITA)
 東京大会延期で力を伸ばし、事故から約1年半で世界新を出したサバティーニ選手にどこまで追いつけるか?
・T64 200m決勝
:大島健吾/ジャリド・ウォレス(USA)、フェリックス・シュトレング(GER)
 義足スターたちの競演再び!
曲走路を制する王者は誰だ?!
・T38 400m決勝
:高松佑圭、竹村明結美
 2019年世界選手権直前にけがをした高松選手、東京で雪辱を果たす!

9/5(日) Morning

日本勢メダル祭りになるか?!
■T54 マラソン 決勝:喜納翼、土田和歌子/タチアナ・マクファーデン(USA)、マヌエラ・シェア(SUI)


下地隆之コーチとの絆を武器に、喜納選手が鉄の女王たちに挑む!さらに8大会連続出場の“超人”土田選手が戻ってくる!(鉄の女王:メダル獲得ラッシュ最終日)

写真:トラックを走る喜納選手

沖縄出身の喜納選手は、身長173cmという体格の良さと、パラ陸上、そしてマラソンに導いてくれたコーチの下地さんとの絆を武器に、日本のトップまで上り詰めてきました。喜納選手にとって、車いすマラソンは「命ぐすい」(ぬちぐすい:頑張る源、という意味)だそう。車いすマラソンを始めたからこそ、今この場に立っている、と表現します。

写真:車いすマラソンゴールを迎えた土田選手

さらにベテランの土田選手!夏冬合わせて8大会連続出場という、驚異の記録を持ち、さらには日本人で初めて夏冬ともに金メダルを獲得した、まさに「超人」です。北京、ロンドンとクラッシュに巻き込まれ、結果を残せず。満を辞して臨んだリオ大会では、銅メダルまであと1秒という僅差の4位。いざ東京へ、という最中、ぜんそくを発症し、思うように走ることができなくなってしまいました。ぜんそくの治療で始めた水泳に興味を持ち、そこからトライアスロンも行うようになった「超人」です。東京大会ではトライアスロンとマラソン、異例の同じ大会で2競技へ出場します!

そんな2人と海外のライバルたちが、東京の街を舞台にどんな争いを繰り広げるのか、楽しみですね!

〜まだまだある、見どころ種目のほんの一部!〜

・T12 マラソン 決勝
:道下美里、西島美保子、藤井由美子、堀越信司、熊谷豊、和田伸也
 メダル最有力候補
の2人!ゴールで弾ける“みっちゃんスマイル”は見られるか?
・T54 マラソン 決勝
:鈴木朋樹/マルセル・フグ(SUI)、ダニエル・ローマンチャック(USA)
 世界のモンスターとの戦い、最終章。この1年の延期を糧にモンスターに挑む!
・T46 マラソン 決勝
:永田務/ロジャー・マイケル(AUS)
 遅咲きの新星
、永田選手。目標とするのはメダルではなくマイケル選手の記録!どんな記録が生まれるか?


・・・

パラ陸上だけでも167種目と、障がいによって“多様なレース”が展開されます。
同じ『100mのレース』でも、工夫しているポイントや道具との一体感は様々。

「クラスが多くて難しい、よくわからない」ではなく、「平等な条件下でレースが行っているんだ」と気軽に見ていただければ、オリンピックとは異なるパラリンピックならではの多様性、味わい深さを実感いただけると思います。

この夏のパラリンピックをぜひご覧いただき、その後のパラスポーツも応援していただけたらと願うばかりです!


※このコラムは、8月22日時点の情報を元に執筆しています。

画像:後藤リポーターのアイコン



選手情報

キーワード

後藤佑季
後藤佑季

後藤佑季(ごとう・ゆうき)

1996年7月30日生まれ 岐阜県出身 聴覚障がい(人工内耳使用) 【趣味・特技】料理、カメラ、書道準五段、手話技能検定準2級 【スポーツ歴】陸上(100m走など短距離)、水泳、バドミントン 【抱負】私の聴覚障がい(難聴)のような『目に見えない障がい』の存在を伝え、様々な障がいのある人とない人との橋渡し役になれたらと思っています。自分の身体ではないものを最大限に生かし、自らの可能性を広げる、超人たちの「常識を超える瞬間」を多くの方にお伝えしていきたいです!

おすすめの記事