陸上 168人の金メダリストが誕生!ライバルと自分の限界へ挑む

— 競技ガイド —

陸上

8月27日(金)~9月5日(日)
国立競技場

パラリンピックのなかでもっとも多い167種目が実施される陸上。勝敗や記録への挑戦以外にも、さまざまな楽しみ方と見どころがある。たとえば異なる障害のある男女4人がリレーする「ユニバーサルリレー」やフィールド種目の「こん棒投げ」などはパラリンピックでのみ実施される種目。また、選手の身体能力や技術の向上とともに、進化する義足や「レーサー」と呼ばれる競技用車いすなど、用具の進化も著しく、それらの使いこなしも記録更新や勝利には欠かせない。そして選手とともに走る「ガイドランナー」や、踏み切りのタイミングなどを伝える「コーラー」との息のあったコンビネーションもパラリンピックならでは。個々の特性を生かして「より速く より高く より遠くへ」と挑むアスリートの姿を目に焼きつけよう。

【陸上クラス分け】

陸上のクラス分け
選手と用具の著しい進化で100分の1秒でも早く! トラック

パラリンピックの花形競技のひとつトラックは、障害の種類や程度に応じて種目が細かくクラス分けされており、全85種目。たとえば100mだけでも男女あわせて30人の金メダリストが誕生する。多くの選手たちが栄冠に輝き、歓喜のパフォーマンスを見られるのがトラックの魅力だ。選手の障害を補う用具の進化も目覚ましく、カーボン製の義足や競技用車いすの「レーサー」などは、競技でしか見られない。また、それぞれ異なる障害のある男女2人ずつの計4人がチームを組んで挑むユニバーサルリレーは、多様性の時代にふさわしい、東京大会から正式種目として採用される注目の種目。真新しい国立競技場で100分の1秒を争い、疾走する選手たちの姿を目に焼きつけよう。

トラックの見どころ 目覚ましい用具の進化!

・競技用車いすの最高時速は30キロ!
・パラリンピックの象徴!ユニバーサルリレー

見慣れない3輪タイプの競技用車いす「レーサー」に乗って風を切り、最高時速30キロにも達する車いすのクラスの選手。選手の目となる「ガイドランナー」との2人で息をあわせ、ゴールを目指す視覚に障害のある選手。義手や義足を使い、自己最速を目指す選手など、選手の障害の種類や程度に応じて細かくクラス分けされ、見どころが多いトラック。用具は細かくカスタマイズされており、選手には使いこなす技術が求められる。

ユニバーサルリレー

数あるトラック種目のなかでも注目は、今大会から正式種目として採用される400mユニバーサルリレー。さまざまな障害のある男女2人ずつ、計4人の選手がリレーする種目で、第1走者は目に障害のある選手を起用する。オリンピックのリレーとは異なり、バトンではなく選手に触れる“タッチ”で次の走者につなぐ。4人の速さが大きく異なるので、スピードを落とさずにリレーするのは難しいが、異なる障害と性別の4人が参加するリレーは、パラリンピックの象徴とも言える種目で必見だ。

マメ知識

視覚障害、立位の切断・機能障害、脳性まひ、車いすの順番で、男女2人ずつ、計4人で走る400mユニバーサルリレー。バトンを扱えない選手もいるため、走者の体に“タッチ”することでリレーする。

【種目・開催日程】

8月27日(金)~9月4日(土)
国立競技場

男子100m T11/女子100m T11
男子100m T12/女子100m T12
男子100m T13/女子100m T13
男子100m T33
男子100m T34/女子100m T34
男子100m T35/女子100m T35
男子100m T36/女子100m T36
男子100m T37/女子100m T37
男子100m T38/女子100m T38
男子100m T47/女子100m T47
男子100m T51
男子100m T52
男子100m T53/女子100m T53
男子100m T54/女子100m T54
男子100m T63/女子100m T63
男子100m T64/女子100m T64
女子200m T11
女子200m T12
男子200m T35/女子200m T35
女子200m T36
男子200m T37/女子200m T37
女子200m T47
男子200m T51
男子200m T61
男子200m T64/女子200m T64
男子400m T11/女子400m T11
男子400m T12/女子400m T12
男子400m T13/女子400m T13
男子400m T20/女子400m T20
男子400m T36
男子400m T37/女子400m T37
男子400m T38/女子400m T38
男子400m T47/女子400m T47
男子400m T52
男子400m T53/女子400m T53
男子400m T54/女子400m T54
男子400m T62
男子800m T34/女子800m T34
男子800m T53/女子800m T53
男子800m T54/女子800m T54
男子1500m T11/女子1500m T11
男子1500m T13/女子1500m T13
男子1500m T20/女子1500m T20
男子1500m T38
男子1500m T46
男子1500m T52
男子1500m T54/女子1500m T54
男子5000m T11
男子5000m T13
男子5000m T54/女子5000m T54
400mユニバーサルリレー

1センチでも高く、遠くへ!自身の限界に挑戦する フィールド

フィールド競技では「跳躍」と「投てき」が行われる。跳躍は「走り幅跳び」と「走り高跳び」、投てきは「円盤投げ」「やり投げ」「砲丸投げ」と、パラリンピック独自の種目「こん棒投げ」で、基本的なルールはオリンピックと同じ。いずれの種目でも選手たちは1センチでも高く、1センチでも遠くを目指す。種目は細かくクラス分けされおり、全78種目。競技には障害をサポートする工夫もある。たとえば目に障害のある選手には「コーラー」と呼ばれる補助者がつき、手拍子や声で選手に情報を伝達。走り幅跳びや走り高跳びの踏み切る位置や、投てきの投げる方向をサポートする。

フィールドの見どころ どこまで記録が伸びる!? コーラーとのコンビネーションに注目

・音を頼りに大ジャンプ!静寂と大歓声のコントラスト
・選手の個性が光る「こん棒投げ」

パラリンピックのフィールド競技には、会場が静寂に包まれる種目がある。目に障害のある選手が出場するクラスだ。“コーラー”が手拍子や声で選手に情報を伝えるので、試技が始まると観客は音を立ててはいけない。走り幅跳びや走り高跳びの選手はコーラーの音や手拍子を頼りに助走し、踏み切ったり、ジャンプしたりする。こうしたコーラーとのコンビネーションやコミュニケーション方法の違いも面白い。そして、大ジャンプが決まったときには、静寂の会場が一転して大歓声に変わる瞬間を選手と一緒に喜びたい。

パラリンピック独自の種目「こん棒投げ」

投てき種目では、オリンピックにはない「こん棒投げ」に注目だ。投げるのはボウリングのピンに似た形の棒で、握力がなくても競技に参加できる。ルールはやり投げと同じだが投げ方は自由。振り子のように下から投げたり、後ろ向きで頭越しに投げたり、それぞれの選手が編み出したオリジナルの投法を披露する。1センチでも遠くに投げるため、体の機能を最大限に生かした工夫は見逃せない。

マメ知識 こん棒投げ

パラリンピックでのみ実施される「こん棒投げ」。投げるのは長さ40センチ、重さ397グラムのこん棒で、投げ方は自由、ルールはやり投げと同じで、握力がなくても投てき能力を発揮できる。試技の際は投てき台に座り、脚やお尻が浮かないように、ベルトで体を固定して投げる。

【種目・開催日程】

8月27日(金)~9月4日(土)
国立競技場

男子走り幅跳び T11/女子走り幅跳び T11
男子走り幅跳び T12/女子走り幅跳び T12
男子走り幅跳び T13
男子走り幅跳び T20/女子走り幅跳び T20
男子走り幅跳び T36
男子走り幅跳び T37/女子走り幅跳び T37
男子走り幅跳び T38/女子走り幅跳び T38
男子走り幅跳び T47/女子走り幅跳び T47
男子走り幅跳び T63/女子走り幅跳び T63
男子走り幅跳び T64/女子走り幅跳び T64
男子走り高跳び T47
男子走り高跳び T63
男子走り高跳び T64
男子こん棒投げ F32/女子こん棒投げ F32
男子こん棒投げ F51/女子こん棒投げ F51
男子円盤投げ F11/女子円盤投げ F11
男子円盤投げ F37
女子円盤投げ F38
女子円盤投げ F41
男子円盤投げ F52
女子円盤投げ F53
女子円盤投げ F55
男子円盤投げ F56
女子円盤投げ F57
男子円盤投げ F64/女子円盤投げ F64
男子やり投げ F13/女子やり投げ F13
男子やり投げ F34/女子やり投げ F34
男子やり投げ F38
男子やり投げ F41
男子やり投げ F46/女子やり投げ F46
男子やり投げ F54/女子やり投げ F54
女子やり投げ F56
男子やり投げ F57
男子やり投げ F64
男子砲丸投げ F11
男子砲丸投げF12/女子砲丸投げF12
男子砲丸投げF20/女子砲丸投げF20
男子砲丸投げF32/女子砲丸投げF32
男子砲丸投げF33/女子砲丸投げF33
男子砲丸投げF34/女子砲丸投げF34
男子砲丸投げF35/女子砲丸投げF35
男子砲丸投げF36/女子砲丸投げF36
男子砲丸投げF37/女子砲丸投げF37
男子砲丸投げF40/女子砲丸投げF40
男子砲丸投げF41/女子砲丸投げF41
男子砲丸投げF46
男子砲丸投げF53
女子砲丸投げF54
男子砲丸投げF55
男子砲丸投げF57/女子砲丸投げF57
男子砲丸投げF63

都心の42.195キロを走り抜く!アップダウンの攻略がカギ マラソン

パラリンピックのマラソンは、オリンピックと同じコースで行われる。国立競技場をスタートし、日本橋や浅草雷門、東京タワー、皇居など都内の名所を巡って競技場に戻るコースで、スタートは午前6時30分。障害に応じて3つのクラスがあり、目に障害のあるT12クラス、腕に障害のあるT46クラス、そして車いすで参加するT54クラスに分かれている。それぞれ用具やガイドランナーのサポートのもと、アップダウンやコーナーの多い42.195キロは完走するのも容易ではなく、競技は過酷そのもの。ぜひコースの沿道からすべての選手に熱い声援を送りたい。

マラソンの見どころ ガイドランナーと走る

・選手とガイドランナーの“きずな”
・世界記録は1時間20分!スピード感あふれる車いすクラス

目に障害のあるT12クラスのレースは、選手と「ガイドランナー」の“きずな”が見どころ。選手の目となるガイドランナーは、50センチ以内のひもを選手と一緒に握り、ゴールまで走り抜く。レース中は声でもコミュニケーションをとり続け、路面状況やコースの位置取り、ラップタイムなどを選手に伝える。選手の能力をフルに引き出すガイドランナーの役割は重要で、息の合った2人の走りはオリンピックのマラソンとはまた異なる感動を呼ぶ。

競技用車いす「レーサー」

腕だけの力で42.195キロを走る車いすのT54クラスはスピードが魅力だ。選手が乗るのは日常生活で使用する車いすとは異なる「レーサー」と呼ばれる競技用車いす。その名の通りスピードに特化した構造で、空気抵抗を減らし、片手で持てるほどの軽量化を実現。下りでは時速50キロを超えることもあり、男子の世界記録はなんと1時間20分!スピード感あふれるハイレベルな走りを期待したい。

マメ知識 ひもを握って走る

マラソンの目に障害があるクラスでは、選手とガイドランナーは長さ50センチ以内のひもを一緒に握って走る。素材に規定はないが、意志を伝える重要なアイテムなので、使いやすい物を選手が用意する。3位以内に入った際は、選手とともにガイドランナーにもメダルが贈られる。

【種目・開催日程】

9月5日(日)
国立競技場

男子マラソン T12/女子マラソン T12
男子マラソン T46
男子マラソン T54/女子マラソン T54