自転車 空気を切り裂くスピード!多様な種目と自転車が生む緊迫のレース

— 競技ガイド —

自転車

8月25日(水)~8月28日(土)、8月31日(火)~9月3日(金)
伊豆ベロドローム 富士スピードウェイ

自転車は、舗装された道路を走る「ロード」と、バンクと呼ばれる専用の走路を走る「トラック」のふたつのカテゴリーで行われる。運動機能に障がいのあるCクラス、手で回して進むハンドサイクルを使うHクラス、まひの選手が出場するTクラス、視覚に障がいのあるBクラスに分けられ、さらに障がいの程度に応じて細かく分類された51種目が行われる。レースのルールや選手が使用する自転車もさまざまでバラエティに富み、レースごと、種目ごとに異なる魅力がある。

トラック 最大傾斜45度、時速60キロのスプリント勝負

目を見張るスピード感がトラックの魅力だ。参加するのは手や足、視覚に障がいのある選手で、公平にレースが行えるように、それぞれクラス分けされている。最大傾斜角が45度あるカーブでも勇気を持って全速力で走り抜く。選手たちが乗る自転車は一見すると普通の競技用自転車だが、障がいに応じてハンドルやペダルなどをルールの範囲内で改造し、自身に残された機能を最大限に生かせるよう工夫している。視覚に障がいのある選手はタンデム自転車と呼ばれる2人乗り自転車を使い、選手の目となる「パイロット」が前に乗ってハンドルを操作する。会場は自転車専用競技場の伊豆ベロドロームで、タイムトライアル、個人パシュート、混合団体スプリントの3つのレースが行われる。個人戦とチーム戦、さらに距離は500メートルから4000メートルまでとバラエティに富み、どの種目も選手が空気を切り裂くスピードを楽しめる。

【タイムトライアルの見どころ】1人で走り、自己ベストに挑む!

・時速60キロに達するスピード
・1000分の1秒を争う勝負

選手が1人ずつ走って最速を決めるのがタイムトライアルだ。実施されるのは男子が運動機能に障がいのあるCクラスと視覚に障がいのあるBクラス。女子がCクラス。スタート地点に立つ選手の緊張感は見る者にも伝わり、走り出すと徐々にスピードに乗って最高速度は時速60キロに達する。短い距離で決まる電光石火のスプリント勝負だ。

【タイムトライアルの見どころ】1000分の1秒を争う勝負

片足だけでペダルをこぐ選手や、腕をハンドルに固定する選手など、さまざまな障がいを工夫によって乗り越え、最後は1000分の1秒を争う勝負となるのが見どころだ。走路をたった1人で走り、自己ベストに挑む選手に大きな声援を送りたい。

【個人パシュートの見どころ】相手を追い抜いたら勝ち!

・対戦形式の緊張感
・選手同士の駆け引き。意表を突く攻撃に注目

個人パシュートの決勝は予選タイム上位選手による1対1の対戦形式で行われる。1周250メートルのトラックの正面と向こう正面の二手に分かれ、同時にスタートしてタイムを競う。レース中に半周を追いついて対戦相手を抜いたらその時点で勝ちが決まる。クラスに応じて3000m~4000mを走るが、お互いに125mしか離れていないのでペース配分を誤ると一気に追いつかれてしまう。

【個人パシュートの見どころ】視覚障がいのある選手とハンドル操作を行うパイロット

スタートと同時に勝負を仕掛けるのか、それともレース中盤で意表を突いて加速するのか? 相手の動きを常に見ながらの緊張したレース運びが続く。視覚に障がいのあるクラスでは2人乗りのタンデム自転車が使用され、選手の目となるパイロットの的確な指示と、瞬時に加速する選手の対応力がポイントとなる。レース中に繰り広げられる選手同士の駆け引きが見どころだ。

【混合団体スプリントの見どころ】空気抵抗を減らす縦列走

・チームワークが必要な縦列走法
・性別と障がいを超えて勝利を目指す

混合団体スプリントは男女混合の3人がチームを組み、走路を3周してタイムを競う。3選手が同時にスタートし、1周ごとに1人ずつ抜け、3人目の選手が単独で1周するとゴールだ。最初の2周は空気抵抗を減らすために縦列で走るチームワークが求められ、最後の1周は力強い独走力が鍵。

【混合団体スプリントの見どころ】性別と障がいを超えたチームワーク

選手には性別と障がいのクラスごとに1~4点が割り振られており、合計が10点以内になるようチームを構成しなければならない。性別と障がいを超えたチームワークが勝利にはかかせない。

【マメ知識】視覚障がいのある選手が使用するタンデム自転車

パラリンピックのトラックで使われる自転車は選手の障がいに応じてカスタマイズされた二輪自転車と、2人乗りのタンデム自転車。タンデムでは前に乗るパイロットが選手の“目”となって主にハンドルを操作し、後ろにストーカーと呼ばれる視覚障がいのある選手が乗る。一緒にペダルをこぐので、両者の呼吸を合わせることが大切だ。

ロード 風との戦い!天候がレースを大きく左右する

パラリンピックのロードには、個人ロードレースと個人ロードタイムトライアル、混合団体リレーがあり、それぞれ競技の趣が異なる。個人ロードレースは集団で走る選手の駆け引き、個人ロードタイムトライアルは1人で自らを追い込んでいく姿、混合団体リレーは障がいの壁を乗り越えた連携が魅力だ。障がいに応じて選手が乗りこなす自転車にも注目したい。Cクラスの選手が使用する通常のロードバイクに近いタイプから、まひのTクラスの選手が使用する三輪自転車、足に障がいのあるHクラスの選手が手でこぐハンドサイクル、視覚障がいのあるBクラスの選手が乗る2人乗りのタンデム自転車と、形式もさまざま。会場の富士スピードウェイは自動車レースなどが行われる国際サーキット。大会期間中は選手たちがクルマにもひけをとらない迫力で自転車を疾走させる

【個人ロードレースの見どころ】自然と戦い、ゴールを目指す

・予測不能のレース展開
・ゴールは迫力のスプリント勝負!

個人ロードレースは全選手が一斉にスタートし、最初にゴールすれば勝ちとなるシンプルな競技。しかし、屋外で行われるため天候の影響も受けやすく、レース展開は全く読めない。特に風は自転車にとって大敵。前方からの風は壁のように感じられるが、選手は力強くペダルを回して突き進む。風の抵抗を少なくするために集団で走ることが多いが、周囲の選手の様子を見ながら、自分の得意なレース展開に持ち込む揺さぶりが常に行われる。スローペースかハイペースか、大逃げする選手がいるか。どのような展開になっても冷静に判断して対応する能力が必要だ。

【ロードレースの見どころ】Tクラスの選手が使用する三輪自転車

レースはサーキット内と一般道を合わせた1周13.2キロのコースを周回。クラスによって周回する回数が異なり、走行距離が100キロを超えるクラスもあるが、ゴール前は長丁場の疲れを感じさせないスプリント勝負となる。数センチの差で勝負が決まることもあり、迫力のあるゴールシーンは必見だ。

【個人ロードタイムトライアルの見どころ】自らの限界に挑戦
<

・19人の金メダリストが誕生
・風と戦い、自分に打ち勝つ

1人ずつスタートし、1周約8キロのコースを単独で走ってタイムを競うのが個人ロードタイムトライアル。周回数はクラスによって異なる。クラスは障がいの種類と程度で細かく分けられているのがこの種目の特徴。その結果、多くの選手が競技に参加でき、19人の金メダリストが誕生する。選手は1人で走り抜くので他の選手を風よけに使えず、風と戦いながら走る強さが必要だ。

【タイムトライアルの見どころ】19人のメダリストが誕生!

さらに、ペース配分を守り続け、自分との戦いに打ち勝つ精神力も求められる。ゴール前で最後の力を振り絞り、100分の1秒でもタイムを縮めようと全力でペダルをこぐ選手の姿からは目が離せない。

【混合団体リレーの見どころ】パラリンピック独自の種目

・選手が乗りこなすハンドサイクル
・各国のチーム戦略に注目

足に障がいがありペダルをこぐのが難しいHクラスの選手が出場するのが混合団体リレー。チームは男女混合の3人で編成され、1人が約2.7キロの周回コースを3周、計9周する。クランクを手で回して走るハンドサイクルを使う。あおむけに乗るタイプと体を起こした状態で乗るタイプがある。

【男女混合チームリレーの見どころ】2種類のハンドバイク

パラリンピックのみで実施される種目で、選手は性別と障がいのクラスごとに1~3点が割り振られ、合計が6点以内になるようチームを編成しなければならない。どのようなメンバーでレースに臨むのか、各国のチーム戦略に注目。性別と障がいの垣根を越えたチームワークが見どころだ。

【マメ知識】リレーの方式はタッチではなく、走ってきた選手が次の選手を通過したタイミングでスタートとなる

男女混合3人のチームで挑む混合団体リレーはパラリンピックならではの種目。クランクを手で回して進むハンドサイクルを使用するため、リレーの方式はタッチではなく、走ってきた選手が次の選手を通過したタイミングでスタートとなる。

自転車:Paralympics_banner_10