独自に生み出したフォームで最速を目指す。独自の泳法、道具を使用したスタートやターンなどの様子

— 競技ガイド —

競泳

8月25日(水)~9月3日(金)
東京アクアティクスセンター

10人の選手がいれば10通りの泳ぎ方があるのがパラリンピックの競泳。選手たちは水のなかに入ってしまえば、器具の補助なしに、独自の工夫と努力によって生み出したフォームで力強く泳ぎ、自身の肉体を最大限に駆使してタイムを競う。選手の障がいは種類や程度がそれぞれ異なるが、競技の公平性を保つため、専門の「クラス分け委員」が泳法ごとに細かくクラス分けを行う。

競泳の見どころ。コーチとのコンビネーション

・独自に生み出した個性豊かなフォーム
・視覚障がい選手のターンはコンビネーションが重要

競泳で多くの観客が圧倒されるのが、選手の個性豊かなフォームから生まれる力強い泳ぎだ。例えば片腕や片足が欠損している場合、選手は浮力や水の抵抗、推進力が左右で異なるため、バランスよく泳げる自分だけのフォームを見つけださなければいけない。また、全盲クラスに出場する選手の多くは、腕にスリ傷ができている。これは位置を確認するため、コースロープに手を当てながら練習するためだ。肉体のみでレースに挑む競泳は、「残された機能を最大限にいかす」というパラリンピックの精神を最も体現している競技の1つと言えるだろう。

スタート時の補助

一方で、一部ルールが変更されている。例えば視覚障がいがある選手は、壁の位置が分からないため、ターンやゴールのときに危険だ。そこで選手が壁に近づくと、コーチが長い棒で選手を「タッピング」して知らせる。ロスの少ないターンのためには、タッピングのタイミングや強さなども重要で、選手との息の合ったコンビネーションが必要になる。また、スターティンググリップを握れない背泳ぎの選手は、手の代わりにひもやタオルを口にくわえてスタート姿勢を作ってもよい。その他にもさまざまな補助があるが、共通しているのは、どれもタイム短縮の手助けにはならないということ。選手たちは真っ直ぐ泳ぐことさえ困難な状況で、泳ぎ方の工夫と鍛え上げた身体で自己ベストのタイム、そしてライバルよりも早いゴールを目指す。

【競泳のクラス分け】

泳法や障がいの種類・程度をアルファベットや数字で表記している。例えば、SB11は平泳ぎの視覚障がいのある選手で、最も重度のクラス(全盲クラス)であることを意味している。

【競泳のクラス分け】

マメ知識。タオルを口にくわえてスタート

障がいにあわせて一部ルールが変更されている競泳。とくにスタート方法は多様で、スタート台で静止するための補助が認められていたり、背泳ぎでスターティンググリップを握ることが難しい選手は、ひもやタオルを口にくわえたりしてスタート体勢を取ることなどが認められている。

競泳:Paralympics_banner_03